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本に出会う / 藩校早春賦
« 投稿日:: 3月 01, 2013, 05:00:57 pm »
書名:藩校早春賦
著者:宮本昌孝
発行所:集英社
発行年月日:1999/7/30
ページ:382頁
定価:1900円+税

江戸時代の後期、東海の小藩に生まれた少年剣士たちが、活躍する。いろいろな
藩で藩校の建設が流行になってくる。この藩校建設にからんで賛成派、反対派に
別れて藩内のお家騒動に発展しそうになる。新吾、仙之助、太郎左の三人の剣士
の活躍によって建設反対派を排除して、藩校は建設された。ところがこの3人いず
れも藩校が何をするところか知らなかった。私塾ではなく、藩校は時間割があっ
て、それぞれ必須の科目、自由に受けるとか、受けないなんて自分では決められ
ないことを、「学びて時にこれを習う」剣術は得意であってもからきし学問はだ
めな太郎左は弟の千代丸に授業を受けることになる。春うらら、ほのぼのとした
江戸時代の少年達の日々が綴られている。忍たま乱太郎のような世界。今、忘れ
られている「正義」とか「意地」とか何気なく出て来る。こころが安らぐ本です


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本に出会う / 昭和史 1926-1945
« 投稿日:: 3月 01, 2013, 05:00:32 pm »
書名:昭和史 1926-1945
著者:半藤一利
発行所:平凡社
発行年月日:2010/2/13
ページ:545頁
定価:900円+税

たいていの人は時間切れで昭和の歴史などはまともに習ったこともない。司馬史
観であったり、落日燃ゆの広田弘毅であったり、阿川弘之の「米内光政」「山本
五十六」「井上茂美」による海軍であったり、左翼の戦争に反対したのは我々だ
けとか、戦後の教育を受けた者には「戦前真っ暗史観」を。新聞、ラジオなども
さも自分たちは全く関係なかったように民主主義、平等平等と。

渡部昇一、谷沢永一などのちょっと右より、また韓国、中国からの歴史観をその
まま信じていたり。とまともに昭和を自分で理解しようとしても適当なテキスト
は殆どなかった。この昭和史1926-1945は昭和生まれの半藤一利が語り部として昭
和史を講義した内容を本にしたものです。いろいろ解釈はあると思いますが、素
直な昭和史という気がします。大作ですが一気に読んでしまいました。

 日本の近代は「国家の興亡四十年の歴史」といっています。維新から日露戦争
までの40年は「坂の上の雲」のように上がれ上がれ、それから大正-昭和20年ま
での40年は、明治の人達の折角の財産を食いつぶしてどんどん下り坂。国家を滅
亡させてしまった。戦後40年は〇からの出発、奇跡的といわれる高度成長期、そ
の後またまた落ち目。2025年頃にはまたまたどん底か。昭和の恐慌から、朝鮮、
中国、満州へ拡大路線をとっていった軍部、最後には米英相手の戦争へとそして
敗戦。この教訓は本当はいかさないといけないのだけれど。

昭和史は日露戦争の遺産を受けて、満州を日本の国防の最前線として領土にしよ
うとしたところからスタートしました。最終的には満州にソ連軍が攻め込んでき
て、明治維新このかた日露戦争まで40年かかって築いてきた大日本帝国を日露戦
争後40年で滅ばしてしまう。満州国はあっという間にソ連に侵略され、のちに元
の中国の領土となるかたちで戦争が終わる。昭和史とはなんと無残にして徒労の
時代であったのか?昭和史とは無になるための過程だったともいえる。こんな歴
史を振りかえって著者は

第一に国民的熱狂を作ってはいけない。時の勢いに駆り立てられてはいけない。
第二に最大の危機において日本人は抽象的な概念論を非常に好み、具体的な理性
的な方法論を全く検討しようとしない。
第三に日本型のたこつぼ社会における小集団主義の弊害がある。陸軍大学校優等
卒の集まった参謀本部等
第四にポツダム宣言の受諾が意志の表明でしかなく、終戦はきちんと降伏文書の
調印をしなければならないという国際社会の常識をしらなかった。ソ連は8月15日
以降満州で邦人にやりたい放題。抑留されて戻れなかった人が一杯いた。「岸壁
の母」ですね。
第五に何かことが起こった時に対症療法的な、すぐに成果を求める短兵急な発想
。大局観がまったくない日本人のあり方。
と声を大にして歴史に学べと言っている。

これを今の政府の状況と比べてみても全く同じ、60年経っても変わっていないと
いう気がします。この5つのチェックポイントで現在をチェックすると本当のとこ
ろが見えてくるような気がします。銃殺になるほどの失敗をした司令官が、また
違った方面に配備されてまた同じような失敗をする。部下を殺してしまった。

それでも戦後政府の重職につくという体質はいつまでも変わらないようです。特
に「国民的熱狂を作ってはいけない」、昨年政治を変えないといけないと熱狂を
もって民主党?
地球温暖化対策で大変だ大変だ。世界に恰好良く見せたいために「CO2 25%削減
宣言」自動車業界が大変だ、これからは電気自動車だ。補助金を一杯出して一民
間会社を支援する。太陽電池だ、太陽エネルギーだ。例を挙げるときりがない。
米英と戦争をはじめたときは熱狂をもってマスコミも国民もみんな歓迎一色だっ
たという事実をじっくり反省しないといけないように思う。民主主義の多数決と
いう仕組みも人気取り、熱狂的なときは気をつけないと禍根を残すことを教えて
くれているのではないかと思う。

語り口を本にしてあるので非常に分かりやすい。昭和史を把握するのには良い本
だと思う。少なくとも国会議員は一度この本を読んでベーシックな歴史というも
のを知っておいて欲しいような気がする。

34758
本に出会う / 楽園 
« 投稿日:: 3月 01, 2013, 05:00:03 pm »
書名:楽園 上
著者:宮部みゆき
発行所:文藝春秋
発行年月日:2007/8/10
ページ:413頁
定価:1619円+税

書名:楽園 下
著者:宮部みゆき
発行所:文藝春秋
発行年月日:2007/8/10
ページ:361頁
定価:1619円+税

前畑滋子のところに、小学生の子供を亡くしたという50才を過ぎた女(萩谷敏子
)が訪ねてくるところから、物語は始まる。前畑滋子はライター、以前に身の毛
もよだつような連続殺人事件に巻き込まれて、未だに尾を引いている女性。亡く
なった小学生等は変わった絵を3冊のノートに残していた。等の亡くなった跡に起
こった火事で4軒の家が焼けた。その1軒から少女の死体が発見された。そこに住
んでいた夫婦の子供の死体だった。少女が中学生の頃、両親に殺され埋められて
いた死体。それを夫婦は自供する。でも時効が成立していた。それは等の残した
ノートに描かれた絵に、少女の絵と、焼けた家とそっくりのの絵が。幻視か?サ
イコメトラー?千里眼?この等が普通の子供とは違った異能を持っていたのか?
どうか調べてくれと言う萩谷敏子の依頼。これを引き受けた前畑滋子の調査、感
で過去が次々と暴かれていく。ドラマチックなストーリー展開。いつもの宮部み
ゆきのスタイル。飽きさせない展開だ。でもちょっと考えすぎて余りにも物語を
作りすぎているイヤミが感じられる。おどろおどろしさが、ちょっと不快感を模
様する。もう少し素直な作品の方が宮部みゆきらしさが出て来るような気がする
。最近の作品はちょっと停滞気味?ちょっとつかれているのかな?という感じが
する。一時休憩も必要ではないかなと思った。

34759
本に出会う / 人蟻
« 投稿日:: 3月 01, 2013, 04:59:39 pm »
書名:人蟻
著者:高木彬光
発行所:光文社
発行年月日:1996/1/20
ページ:421頁
定価:660円+税

安い原料から、莫大な利益を生み出す砂糖。その魅力的な甘い汁に、蟻のように
吸い寄せられる人間の群れ。戦後は終わったと言われた30年を舞台に巨大な利益
が悪を呼び、”犯罪”が発生する。弁護士・百谷泉一郎のカミソリのような鋭い
推理力で政界と癒着した難事件を解いていく。最近ではめずらく無くなったが、
弁護士が探偵役で登場したのは高木彬光が初めてではないだろうか?それも昭和3
0年代という早い時期に。高木彬光の脂ののりきった時代。冴え渡った作品です。
切れの良さが感じられる。


34760
本に出会う / 三人吉三
« 投稿日:: 3月 01, 2013, 04:59:10 pm »
書名:三人吉三
著者:鈴木輝一郎
発行所:双葉社
発行年月日:2002/6/25
ページ:363頁
定価:1800 円+税

これも歌舞伎でお馴染みの三人吉三。原作は河竹黙阿弥ですが、この本はかなり
ストーリーは違っています。「明日に向かって撃て」と参考に「明日もおじたぁ
つまるめぇ」と御坊吉三、お嬢吉三、和尚吉三の三人吉三が、綱吉の世に、幕府
のやり方に怒りを、火付け、おいぬ様殺害を江戸の街々ではじめる。パロディ風
の物語です。実際に本当に居たらこまる3人ですが、物語、芝居の中では面白い試
みです。歌舞伎もたまには見てみたい。

白浪五人男と同じようにEYEマークの本です。視覚障害者は録音図書、点字図書
拡大写本を行っても良い本です。(出版社への連絡は必要)

----------------------
三人吉三の台詞
月も朧に白魚の 篝(かがり)もかすむ 春の空
冷てえ風にほろ酔いの 心持ちよくうかうかと
浮かれ烏(からす)のただ一羽 ねぐらへ帰る川端で
竿の雫か濡れ手で粟 思いがけなく手にいる百両
(呼び声)おん厄払いましょう、厄おとし
ほんに今夜は節分か 
西の海より川の中 落ちた夜鷹は厄落とし 
豆だくさんに一文の 銭と違って金包み 
こいつは春から 縁起がいいわえ

34761
本に出会う / 地図のない道
« 投稿日:: 3月 01, 2013, 04:58:43 pm »
書名:地図のない道
著者:須賀敦子
発行所:新潮社
発行年月日:2002/8/1
ページ:177頁
定価:362 円+税

ヴェネツィアのゲット(貧しいユダヤ人街)を訪ねた著者がそこにある運河、橋
などを巡りながら、ふるさと大阪の八百八橋を思い出しながら、ミラノで共に生
きた良人、友人達の思い出を綴りながら、街の紀行文を書いている。水の都ヴェ
ネツィアをイタリアを愛した著者が導いてくれる。著者の生きた時代をヴェネツ
ィアを舞台に若い時の思いで、過去の街のようすなど時間を自由に移動しながら
ヴェネツィアを歩く、読者はどんどんとひき込まれてしまう。不思議な世界へ誘
ってくれる。
じっくりゆっくり楽しめる文章です。短編なので読みやすい。でも奥は深い深い
感じです。

ヴェネツィアの娼婦を描いた「ザッテレの河岸で」も併録されている。

34762
本に出会う / 白浪五人男
« 投稿日:: 3月 01, 2013, 04:58:17 pm »
書名:白浪五人男
著者:鈴木輝一郎
発行所:双葉社
発行年月日:1999/7/1
ページ:343頁
定価:1800 円+税

河竹黙阿弥「白浪五人男」は歌舞伎でも有名。この中に出てくる日本左右衛門は
池波正太郎「雲霧仁左衛門」のモデルにも鳴っている。臭い台詞もいっぱい。ち
ょっとしたパロディ。なかなか面白い。垂井宿から小田原宿までを縄張りとして
いる盗賊団、日本党の首領日本左右衛門。白浪五人男が江戸城に侵入、家康の御
用金を探しに、奇想天外な物語。

本書より
--------------------------
日本左右衛門
生まれは遠州浜松在。十四の年から親にはなれ、身のなりわいも白浪の、沖を越
えたる夜働き。盗みはすれど非道はせず。人に情けを掛川から、金谷をかけて宿
々で、義賊と噂高札に、回る配付の盥越し。危なきその身の境涯も、最早二十五
に人間の、定めはわずか五十年。六十余州に隠れもなき。賊徒の首領、日本左右
衛門

弁天小僧菊之助
浜の真砂と五右衛門が、歌に残せし盗人の、種は尽きねえ七里ヶ浜、その白浪の
夜働き、以前を言やあ江ノ島で、年季勤めの児(ちご)ヶ淵、江戸の百味講(ひ
ゃくみ)の蒔銭(まきせん)を、当(あて)に小皿の一文字、百が二百と賽銭の
、くすね銭さえだんだんに、悪事はのぼる上の宮、岩本院で講中の、枕捜しも度
重なり、お手長講と札附に、とうとう島を追い出され、それから若衆の美人局、
ここやかしこの寺島で、小耳に聞いた祖父さんの、似ぬ声色で小ゆすりかたり、
名さえ由縁(ゆかり)の弁天小僧菊之助という小若衆さ

南郷力丸
富士見の間から向こうにみる、大磯小磯小田原かけ、生まれが漁師に波の上、沖
にかかった元船へ、その舟玉の毒賽を、ぽんと打ち込み捨碇(すていかり)、船
丁半の側中(かわじゅう)を引っさらって来る利得(かすり)とり、板子一枚そ
の下は。疑獄と名に呼ぶ暗黒(くらやみ)も、明るくなって度胸がすわり、艪を
押しがりやぶったくり、船足重き刑状(きょうじょう)に、昨日は東今日は西、
居所定めぬ南郷力丸

忠信利平 
続いて次に控えしは月の武蔵の江戸育ち、がきの折りから手癖が悪く、抜け参り
からぐれ出して、旅を小股に西国を、廻って首尾も吉野山、まぶな仕事も大峰に
足をとめたる奈良の京、碁打といって寺々や豪家へ押込み盗んだる、金が御嶽の
罪料は、蹴抜の塔の二重三重、重なる悪事に高飛びし、あとを隠せし判官のお名
前騙りの忠信利平

赤星十三郎
亦その次に連なるは、以前は武家の中小姓、故主のために切り取りも、鈍き刃の
腰越えや。砥上ヶ原に身の錆を研ぎ直しても、抜きかねる、盗み心の深みどり、
柳の都谷七郷、花水橋の切り取りから、今牛若と名も高く、忍ぶ姿も人の目に、
月影ケ谷、神輿ケ獄、今日ぞ命の明け方に、消ゆる間近き星月夜、その名も赤星
十三郎


34763
本に出会う / トンデモ偽史の世界?
« 投稿日:: 3月 01, 2013, 04:57:46 pm »
書名:トンデモ偽史の世界?
著者:原田実
発行所:楽工社
発行年月日:2008/9/19
ページ:333 頁
定価:1800円+税

正史と偽史、どれが正史で、どれが偽史かと真面目に考えると「はっと考えてし
まう」一応世界最初の正史は司馬遷の紀元前91年の「史記」と言われている。正
史というのは国家が正統と認めたという意味しかない。国家の歴史の中で、まっ
たく事実のみを忠実になどったような歴史は全くない。その時の政権、国家にと
って一番都合の良い歴史が綴られる。

だからと言って何でもありの世界という訳でもない。しかしこの本で紹介されて
いる古史小伝と呼ばれる宮下文書、武内文書等の幼稚なウソ、ユダヤ陰謀説の発
生した理由。ソロモンの秘宝などフィクションとしては非常に面白いものですが
、実際の歴史とは全く違っている。それを知って楽しむのであればいいけれど、
国民、世の中全部が信じさせられてしまう情熱が偽史には内在している。2000年1
1月に発覚した前期旧石器時代跡偽造事件は世間をあっとさせた。

当事者藤村新一(50)は過去20年に渡って次々と発掘するところ全てと言って良い
ほど、前期旧石器時代の年代を更新(どんどん古くなっていく)した発見を行っ
ている。それを考古学会は賞賛はしたけれど、誰も疑問を挟まない異常な雰囲気
で、結果的には発掘現場に置いた毎日新聞の隠しカメラに遺跡に石器を埋めてい
る藤村氏の映像が映っていた。この証拠で言い逃れができなくなって認めたとい
うもの。

権威あるものが一度認めてしまうと、それに異論を発言することは大変勇気がい
ること。またのけ者にされてしまう。どこかの学会でも同じような話がある。ど
素人の発表した「沈黙の春」湖の汚染が進んで性が逆転したりする生物が出て来
る。これは汚染のせいだ。有吉佐和子の「複合汚染」環境ホルモン、テレビ朝日
のダイオキシンは猛毒、ゴア副大統領の「不都合な真実」、最近では「温暖化の
原因はCO2」どれもど素人に、専門家すっかり騙されて、それが正統派として、そ
れに対する異論は全て抹殺する。その学会からいじめを受ける。でも時間が本当
のところを見せてくれる。これは人間の一生(約80年)も要らない。それまでに
大抵真実が見えてくる。

歴史の話でも、科学の話でも普通意見は自由であるべき、また議論の仕方があっ
て、理論的に間違いがあったら訂正するというのが当たり前の考え方であるが、
実はそれは絵に描いた餅で、実際は自分の信じることは絶対変更しない。相手は
間違っている自分の説が正しい。これでは議論はできない。これはいろいろな問
題の賛成派、反対派の議論をみているとよく分かる。国家間の歴史の話になると
まったくどうしょうもない。韓国、中国、日本の歴史感はののしりあいしか残ら
ない。

この本を読んで感じるのは正統派を批判する方はなぜか?正統派の裏にフリーメ
ンーソンがいる。その裏にユダヤ人がいる。ユダヤ陰謀説、最近ではアメリカの
陰謀、アングロサクソンの陰謀と。現在からの視点で歴史を操作したい人々が一
杯いるようです。なかなか面白い本でした。


34764
本に出会う / 誰も知らない「危ない7つの問題」
« 投稿日:: 3月 01, 2013, 04:57:15 pm »
書名:誰も知らない「危ない7つの問題」
著者:武田邦彦
発行所:大和書房
発行年月日:2010/04/01
ページ:215 頁
定価:1300 円+税

 環境問題、地球温暖化、ゴミ問題、リサイクル、分別回収などにユニークな発
言をしている武田邦彦の最新の本です。当初は全くインチキ呼ばわりされていた
地球温暖化問題についても、IPCCのウソがようやく新聞、テレビでも取り上げら
れるようになってきています。今からみれば先見の明があったかな。当時は総ス
カンを食っていた。

 武田邦彦の科学者の視点は確かではないかと思います。科学は多数決ではない
。勇気を持って事実を見ること。自分の頭で考えること。「ノストラダムスの大
予言」に代表される終末思想。にどっぷりとつかっている。幻想にかき回されて
いる。生ある人間は死とともに、老年になると自分の死(死んでしまうのだから
)この世の破滅が来るという説に何となく納得してしまう。また子孫、自分の子
供、孫達に持続可能な社会を残そう!と言われてしまうと納得してしまう。

 たいして大騒ぎする問題でもないものを極大に大騒ぎ、この世の終わり的な言
動に振り回されている。じっくりと自分の頭で考えて人類の英知を信じていれば
そんな騒ぐことでもない。(大げさに騒ぎ回るやからに振りまわされるのはもう
やめにしよう)その裏には政治、お金が絡んでいる。裏をしっかりと見つめるた
めには自分の視点を作ることが必要。

 自分で考えましょう。と応援しているように思う。普通の生命は子供が大人に
なったら親は去るのみ。でも人間は子育てが終わってもまだ生がある。生物の常
識からは特異な生物である人間。そこに何かある。若い人達が未来に希望をいだ
ける世界を見せる必要があるのでは。未来は暗い、暗いがあまりにも多すぎる。
暗く、考えるか明るく考えるかだけの違い。

 未来は間違いなくやってくる。またそこで生息する人間はどんな問題があって
も、それを解決していく知恵があると思う。実際に起こってもいない、あったこ
ともない災難を憂い、みんなを恐怖のドンドコに追い込むだけで何のメリットも
ないことにあくせくするのはもうやめたい。昔より不安は極端に減っている世界
に住んでいながら、人間のこころの病を作り出すことはないと思う。

情報過多に時代、価値のない情報(エントロピーの増大)がどんどん増えて、そ
れを見る、知る機会が増える。何でも知らないと生きられないような飢餓感をも
ってどん欲に情報、情報と騒いでいる気がする。友は少なくても良い。これは当
たり前のことですが、誰とでも友人にならないといけない。友の数。情報の数が
増えれば増えるほど、価値は下がってくる。こんな当たり前のことを見失ってき
ているように思う。

本書より
-----------------------
人は納得するものを「事実」とかんちがいする
・健康障害がほとんどでていない「食品添加物」
・多くの業者が倒産した「マイ箸運動」
・「ゴミ問題というでっちあげ
・猛毒と報道されたが「ほとんど毒性のないダイオキシン」
・「食品リサイクル」の潜在的な危険性
・「異常気象」と煽る報道のウソ
テレビや新聞には実は多くの規制があって、なかなか本当のことが言えませんが
、さいわい本では自由に書くことが出来る。科学の衣を着ているけれど実は「ま
ったく科学的ではない常識」がまかり通る世間にもの申す1冊。


34765
本に出会う / 須賀敦子が歩いた道
« 投稿日:: 3月 01, 2013, 04:56:46 pm »
書名:須賀敦子が歩いた道
著者:須賀敦子・松山巌
発行所:新潮社
発行年月日:2009/9/20
ページ:127 頁
定価:1400 円+税

須賀敦子という人、ご存じの方もいるかと思いますが、私ははじめて知った人、
若い頃イタリアに留学していて、谷崎潤一郎の「細雪」をイタリア語に翻訳した
のをはじめ日本の作家の作品を翻訳していたり、大学の講師などを行っていた人
ですが、60才前後に「ミラノ 霧の風景」で女流文学賞を受賞。気品のある文章
で、何とも言えない文章を書くと言うこと、また坂のある街にひかれてイタリア
のいろいろな街、彫刻、建築などを綴った文章が一時話題になった人。残念なが
らもう故人ですが、短い期間に残された作品は良いものが一杯です。読んでいて
ほんのりとこころ休まる文章。でも鋭い視線を感じるそんな文章です。作品とし
てはそんなにないのでこれからぼちぼちと読んでみたいと思います。ちょっと外
では出会えないそんな本です。

34766
本に出会う / 赤穂浪士
« 投稿日:: 3月 01, 2013, 04:56:22 pm »
書名:赤穂浪士(上)
著者:大佛次郎(おさなぎじろう)
発行所:恒文社
発行年月日:1998/10/20
ページ:565頁
定価:1900 円+税

書名:赤穂浪士(下)
著者:大佛次郎(おさなぎじろう)
発行所:恒文社
発行年月日:1998/10/20
ページ:533頁
定価:1900 円+税

 講談、浪曲ではおなじみの赤穂浪士の物語。普通に考えると何でこんなに忠臣
、義士などと騒がれるのか?多分仕掛け人が居たのではないかと真実とは違った
誤解で広まった仇討ち話ではと勘ぐってしまう。吉良上野介は本当に悪い悪い人
。疑問符がつく。この本では大石内蔵助が主君の敵として狙うのは表向きは吉良
上野介、でも実際は吉良上野介の息子、米沢17万石城主上杉綱憲を巻き込んで上
杉家と一緒に心中することを策略する。上杉家江戸家老千坂兵部、側用人柳沢吉
保それぞれが隠密を放って赤穂浪士の動向を探る。赤穂浪士が主役だが、どこか
冷めた目で見ている蜘蛛の陣十郎、堀口隼人、お仙の3人がうごめく。大佛次郎は
はじめて読んでみたが、読むリズムに乗りにくい、読みづらい作家、物語の展開
が少々下手な感じ、真面目に書いているけれど可もなく不可もないという感じが
した。熱狂的なファンはあまりいないような気がする。久々に少しも進まない本
でした。長い割りには中身が残らない本という感じ。余りにも赤穂浪士が知れ渡
っているからかも知れませんが。

34767
本に出会う / 大阪シンフォニー
« 投稿日:: 3月 01, 2013, 04:55:55 pm »
書名:大阪シンフォニー
著者:小田実
発行所:中央公論社
発行年月日:1997/3/7
ページ:419頁
定価:2500 円+税

終戦直後の大阪鶴橋付近の焼け野原を舞台に少年、少女が闇市を自分で作ろうと
立ち上がるというストーリー。1945年8月12日に敗戦が決まっていた。でも14日は
大阪大空襲大勢の犠牲者が出た。その空襲には米軍のビラも一緒に落ちてきた。
それは日本の敗戦を知らせるビラ。最後の空襲となった。その翌日には天皇陛下
の放送で終戦をしった人びと、そんななか14日の空襲で親を失った少年もいた。
孤児になった少年達がMPの物資を元に闇市で金を稼ぎながら、自分たちの闇市を
作ろうと動き出す。のんびりとした筆で、じっくりと心にしみてくるような文体
、ちょっと変わった本です。現在のせわしない世の中に一つの清涼剤を与えてく
れるような気がする。どんな不幸にあってもめげずに生きようとして少年達の生
命力、活力にビックリさせられる。


34768
本に出会う / 阿片王 満州の夜と霧
« 投稿日:: 3月 01, 2013, 04:55:13 pm »
書名:阿片王
   満州の夜と霧
著者:佐野眞一
発行所:新潮社
発行年月日:2005/7/30
ページ:445頁
定価:1800 円+税

里見 甫(はじめ)、ジャーナリスト、実業家。関東軍と結託しアヘン取引組織を
作り、阿片王と呼ばれた。中国名李鳴。里見は「電通が今のような広告会社にな
ったきっかけを作った一人である」佐野眞一の力作、取材の仕方が凄い、この里
見甫のことを調べるために、関係者を100人以上インタビューしている。戦前、戦
中、満州、上海の里見の関係者を捜しながらこの里見甫を追いかけていく姿はち
ょっと感動ものです。

児玉誉士夫、笹川良一などは戦後にも顔を出しているので知っているかもしれま
せんが、中国で阿片の取引を行って、関東軍の有力な資金源として供給していた
里見機関のことは殆ど人は知らないことだと思う。A級戦犯容疑で逮捕されたこ
とはあるが、起訴されずに釈放された経験を持つ。戦後は全く顔を出してこない
。沈黙の人里見の生き様を追っている。戦後の高度経済成長のベースとなったの
は実は新しい国を創造しようとして「満州国」の建設に関わった人々、甘粕正彦
、石原莞爾、岸信介、佐藤栄作などなどが阿片で巨額の資金を作って「満州国」
に投入していた。

イギリスと戦争で有名なアヘン戦争。実は昭和の日中戦争も時を変えたアヘン戦
争だった。満州という国は日本の13倍の広さの国。真っ赤な太陽が地平線に落ち
るところ。そこには裏の世界が夜と霧が渦巻いていた。その中で関東軍、中国人
の闇世界、満州国、蒋介石、共産軍それらら入り交じってアヘンという資金源を
つかった。紛争をおこなっていた。そんな中で、阿片王という綽名で呼ばれるよ
うなった里見甫の人脈の広さ、戦後総理、政治家などごろごろと出て来る。児玉
、笹川のような私欲はまったくなく。戦後は全く闇の中で過ごした里見甫。

この里見を探ることで日中戦争をより深く見えてくる。また今まで表に見えてい
た事ばかりから考えるととんでもないことが実は真相ということが分かってくる
。表のことより裏は複雑怪奇、大義名分ばかり追いかけていては歴史は分からな
いということを佐野眞一は暗に語っている。興味をもって読み切ってしまった。

34769
本に出会う / 「法令遵守」が日本を滅ぼす
« 投稿日:: 3月 01, 2013, 04:54:41 pm »
書名:「法令遵守」が日本を滅ぼす
著者:郷原信郎
発行所:新潮社
発行年月日:2009/12/25
ページ:190頁
定価:680 円+税

日本は果たして法治国家でしょうか?確かに日本には憲法もあり、数多くの法律
が制定されています。しかし社会の現実を見ると、我が国が実質的な意味で法律
によって治められている国かどうか疑問です。「法令遵守」=コンプライアンス
といって枝葉のことばかりに目が向いている企業、勿論マスコミ。法令は何のた
めにあるのか?法令の背後には必ず社会的な要請がありその要請を実現するため
に法令が定めてあるはず。その背後の社会的な要請を考えずに、法令を守れば良
いという安易な方向に走っている現在のコンプライアンス病を著者は日本を滅ぼ
す、閉塞感、事なかれ主義、蔓延する弊害の数々を例示しながら説明してくれる
。コンプライアンス=社会の要請に応えることという新たな視点を加えることで
見え方が違ってくる。福知山線の列車事故で病院に担ぎ込まれた病人の家族が病
院に問い合わせても個人情報保護法を縦に、なにも答えてくれなかった。信じら
れない曲解のした法律の解釈、本筋より枝葉を大切に頑なに守ろうとする弊害に
社会はつぶれてしまうと訴える。「法令遵守」=コンプライアンスという考え方
こそ組織をダメにしていると実感している人は多いのではないかと思います。一
読の価値のある本です。マスコミからは絶対に出てこない本かなという気がしま
す。著者は検事出身の大学教授です。

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本に出会う / 社長の椅子が泣いている
« 投稿日:: 3月 01, 2013, 04:54:15 pm »
書名:社長の椅子が泣いている
著者:加藤仁
発行所:講談社
発行年月日:2006/06/15
ページ:493頁
定価:1900 円+税

富士通の野副前社長辞任にまつわるごたごたも新しい記憶ですが、昔も同じよう
な話がありました。野副社長とは全く違った人格、品の良さがある河島博氏の物
語です。河島喜好、博兄弟、共に一流企業の社長に兄弟揃って勤めた二人。兄河
島喜好は本田宗一郎の後社長に。山葉寅楠によって創立された日本楽器(株)の歴
史を河島博の歩む人生と共に描いている。浜松という一地方に技術、職人、頑固
一徹の人々が集っていた。本田宗一郎、藤島武夫の名コンビ、とは違ったあゆみ
の川上源一というカリスマ、65才を直前にして河島博に日本楽器の社長に就任。
そして2年突然”解任”それも臨時取締会も行わず、また河島の退任理由は病気。
これも虚偽の発表です。代表権を持った会長川上源一がまた社長に返り咲く、ど
ら息子浩を社長にそんないきさつに河嶋博は一言も発言はしない。沈黙は金の如
く黙って、別の世界へダイエーの中内にスカウトされて副社長としてダイエーの
放漫経営を引き締めて、ようやく体質改善がなったところで、ダイエーを去ろう
としていたところに阪神大震災。波瀾万丈の人生模様を描いている。川上源一時
代楽器屋というよりはオートバイから、大レジャーセンター、合歓の郷、嬬恋コ
ンサートなど多角経営に走って火の車になっていくヤマハ。中島みゆきを無名時
代に見つけ出して支援したというプラス面もあるが、社員にとっては天皇、実力
が出て来るとみんな掘り出されてしまう川上天皇、上場企業で大株主でもないの
にヤマハを私物化して、川上三代が君臨する。そんなことを始めて知った。河島
博は実力がありすぎる。また事務系の仕事でもきっちりを目に見える形にして成
果を上げてきた。そんな河島と川上とは所詮あわない。ダイエーの中内も最初は
よかったが、息子を社長にと思い描いたときにはやっぱり河島は邪魔と。人生の
面白さが随所に出て来る。野副前社長の告訴とは全く違った河島博の処世術は爽
やか。”沈黙は金”おれがおれがの時代には貴重な教訓かなと思う。

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