投稿者 スレッド: 水のなかの蛍  (参照数 237 回)

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水のなかの蛍
« 投稿日:: 8月 21, 2013, 05:17:41 pm »
書名:水のなかの蛍
著者:池永 陽
発行所:集英社
発行年月日:2006/12/20
ページ:301頁
定価:1700円+税

さまざまな過去を背負い、みんな悲しい思い出を持ちながら、都会の片隅に、大切な人とはぐれた人々。大正時代の古い洋館アパート・風見館に住む僕(小峰俊彦)、風見館には僕と亀さんとイイコさん、と志保さんの4人が住んでいるが、他の部屋は空き部屋、古ぼけた奇妙なアパート住民もそれぞれ重たい過去を引きずっている。訳ありな客が集う喫茶店「前奏曲(プレリュード)」そこに住み、そこに入り浸る。お人好しなだけが取り柄の大学生僕。物語のテーマは堕胎(水子)で題名「水のなかの蛍」は水子を表している。サイモンとガーファンクルの懐かしいが物語の要所要所に出てくる。戦時中の思い出を語させたり、中学を卒業して集団就職した時代など昭和の風景が描かれている。心優しい人々の切ない物語。