1 電子メールマナー集
電子メールは封のできない手紙に似ています。葉書より沢山書けて、ちょっとした
電子ファイルを添えて送ることができますが、セキュリティはそれほど高くありませ
ん。たくさんのネットワークを経由して届けられることから、配達の途中で紛失した
り覗かれたりする危険もあります。
1.1 通信の注意★
すぐに配達される電子メールは会話のように気軽に楽しむことができますが、顔の
表情や声の調子が一緒に伝わる会話と違って文字だけによる通信ですから、メッセー
ジがどのように相手に受け取られるかには十分に注意しなくてはなりません。原則的
には書面による通信と同じく慎重な心遣いを大切にするべきでしょう。言葉をよく選
び、誤解や失礼のないように気を配ってこそ、電子メールの恩恵をより多く享受する
ことができるのです。
また、相手に対して常に寛容であるよう心がけ、人を不愉快にさせるような話や言
葉遣いは慎みましょう。
1.2 電子メールのチェック☆
電子メールが届いているかどうか定期的に確認する習慣を持ちましょう。メールボ
ックス内にあるメールの容量がインターネット・プロバイダ等の管理者から割り当て
られたメールボックスの容量を超えると、メールボックスがあふれて電子メールが受
け取れなくなってしまいます。不必要な電子メールはメールボックスから削除し、容
量を超えないように注意しましょう。また、保管日数の制限があるインターネット・
プロバイダもあります。メールボックスの容量や保管日数の点から、定期的に確認し
ましょう。
1.3 通信相手を選ぶ☆
電子メールだからといって、知らない人に親しく話しかけることが許されるわけで
はありません。誰かの電子メールのアドレスを入手しても、それが直接に連絡をとる
べき相手かどうかは慎重に判断するように心がけましょう。
1.4 電子メールの文章の書き方☆
インターネットでやり取りする文章は、読みやすさに配慮してまとめましょう。コ
ンピュータの表示は、字と字の詰め方、行間の取り方が自由にならないことから、書
面にくらべて読みづらくなる傾向があります。段落ごとに一行空けたり、きりのよい
ところで改行したりするなどして、読みやすくする工夫をした方がよいでしょう。
本文は、短く簡潔であるよう心がけ、要点を一つに絞って書きましょう。また、引
用は必要最小限にとどめて、文章が長くならないように気をつけましょう。メールソ
フトの設定によっては、返信時に受信した文章が自動的に引用されてしまうので注意
が必要です。
初めて電子メールを送る相手の場合には、まず自己紹介から始めるのがよいでしょ
う。
また、親しい友だちや仕事仲間と話すときに使っている流行言葉や業界用語が、そ
のまま他の人への電子メールで通用するとは限りません。あまり多用しないよう心が
け、使うときには簡単に説明を付け加えておく方がよいでしょう。
電子メールの末尾には発信者の名前と連絡先を簡潔に書き添えましょう。これをイ
ンターネットの世界では署名(シグネチュア)といいます。電子メールの署名に住所
や電話番号などを含めるときには、必要以上に自分の個人情報を開示していないか十
分に注意しましょう。
受信した電子メールに返事を出すときには、関連する他のメッセージが同じ人から
送られてきていないかどうかを確かめて、最新のものに目を通してから返事をしまし
ょう。また、自分に送られてきた電子メールが、確認のためのカーボンコピー(cc:)
にすぎないこともあります。その場合、あなたは読むだけで、必ずしも返事を求めら
れている訳ではないことに注意しましょう。
1.5 題名(タイトル、サブジェクト)のつけ方☆
電子メールの題名(タイトル、サブジェクト)は、その内容が一目でわかるような
簡潔なものにするよう心がけましょう。メールの内容が長文であるような場合には、
そのことを断っておく方が親切です。また、海外に向けた送信では、日本語が適さな
い場合もありますので、気をつけましょう。
1.6 使用する文字やメール形式の注意☆
インターネットには多種多様なコンピュータが接続されており、文字コードの割り
当て方にも色々な種類があります。ローマ数字を1字にデザインした文字や、マルつ
き数字(輪のなかにアラビア数字が配置されている文字)など、よく見かける記号の
なかにも機種によって互換性がないものがあります。もちろん、自分で作字した文字
が相手のコンピュータで表示されないことはいうまでもありません。これらの記号や
文字はインターネット上では使用しないよう心がけましょう。
また、いわゆる半角のカタカナは、UNIX系の機種では表示されないだけでなく、イ
ンターネット上の他のコンピュータを誤作動させる可能性があるので、使用してはい
けません。
メールソフトの中にはHTML形式の電子メールを送る機能を持つものがありますが、
相手がHTML形式の電子メールに対応しているとは限りません。HTML形式の電子メール
を送る前に、相手によく確認するようにしましょう。
★使って安心な記号
同一機種の間でのデータのやりとりでは問題がなくても、他機種の利用者にも読んで
もらいたい場合は、下記以外の記号類の使用は控えた方がよいでしょう。また、同一
機種どうしであっても、間に入るホストによっては、正常に送受信できないこともあ
るので、注意が必要です。
、。,.・:;?!゛゜´`¨^ ̄_ヽヾゝゞ〃仝々〆〇ー―‐/\~∥|…‥
‘’“”()〔〕[]{}〈〉《》「」『』【】+-±×÷=≠<>≦≧∞∴
♂♀°′″℃¥$¢£%#&*@§☆★○●◎◇◆□■△▲▽▼※〒→←↑↓〓
(ただし○より一回り大きい「合成用丸【◯】227E(81FC)」は旧JISでは見えない)
1.7 宛先を確認する☆
電子メールのアドレスは1文字違っても届きません。宛先のメールアドレスを確認
してから送信ボタンを押す習慣をつけましょう。
電子メールに返事を出す場合、ほとんどのメールソフトはボタン一つで宛先が入力
される仕組みになっています。このとき、カーボンコピー(cc:)に注意して、返事
をする必要がない人に返事が届くことのないようにしましょう。
カーボンコピー(cc:)の送信先は、宛先(to:)に届いた電子メールに表示される
ので注意が必要です。宛先に知らせることが適当でない場合は、ブラインド・カーボ
ンコピー(bcc:)を利用しましょう。
1.8 ファイルを添付する☆
自分が送信しようとしている電子メールの容量に注意を払いましょう。容量の大き
なメッセージや添付ファイルは、宛先のコンピュータシステムや途中経由するインタ
ーネットサーバの故障を誘発する可能性があります。送信しようとしているメッセー
ジや添付ファイルの容量が大きいと思うときは、相手先に確認してから送信しましょ
う。
また、ファイルの添付方式はメールソフトに依存するので、自身や相手のメールソ
フトやその設定を事前に確認しておくとよいでしょう。
1.9 チェーンメールに注意する☆
「不幸の手紙」のように、はっきりと相手を特定しないで伝言を求める電子メール
を「チェーンメール」と呼びます。チェーンメールはネットワークに負担を強いるこ
とから、たとえそれが親切のつもりであってもしてはいけません。
「あなたは○日以内に×人の友人にこの内容を伝えてください」というような依頼
は、たとえあなたと親しい人から届いた電子メールであってもこれに応じてはいけま
せん。
1.10 セキュリティに気をつける★
電子メールは、ネットワーク上のいくつものコンピュータを経由して相手に届きま
す。封をしない手紙と同様に、クレジットカードの番号やパスワードなど他人に知ら
れてはいけない情報はもちろん、秘密にしておきたいことは書かないようにするのが
賢明でしょう。簡単に見られては困る場合には、通信文を暗号化するなどの自衛手段
をとるべきです。
1.11 虚偽の情報に注意する★
電子メールで他人になりすましたり、他人の電子メールの内容を改ざんして転送し
てはいけません。
また、まちがった噂話を広めることのないよう、情報の信頼性をよく確認してから
伝えるようにしましょう。
1.12 返事が遅くても怒らない☆
あなたが送信した電子メールに対して、すぐに返事がこないからといっていらいら
してはいけません。相手に事情があって、返事をするのが遅れているのかもしれませ
ん。いくつものネットワークを経由するインターネットでは、配達の途中で事故があ
って電子メールが相手に届いていないこともあります。
重要な内容の電子メールを受け取ったらすぐに、受け取ったことを知らせる電子メ
ールを返信しておくとよいでしょう。きっと相手は電子メールが無事に届いたかどう
か心配しているはずです。
1.13 不愉快な電子メールへの対処★
不愉快な内容の電子メールを受け取ったら、相手にしないようにしましょう。また
、挑発的な言葉を投げかけられても応じてはいけません。常に冷静に対応するように
心がけましょう。
1.11 受信した電子メールを公開しない☆
電子メールの内容を他の場所に転載したりすると著作権の侵害にあたる場合もあり
ます。また、あなた以外の人に知られることによって本人の名誉が傷ついたり、プラ
イバシーに関する情報が漏れて迷惑をかけるかもしれません。
受け取った電子メールを転送したり転載したりする場合には、本人に連絡して承諾
を得るのが良いでしょう。私信である電子メールをホームページなどの公開された場
所に掲載するときは、ことさら慎重に取り扱うべきです。
1.15 ダイレクトメールに関して☆
電子メールで商品の宣伝などを行うことは、相手に不快感を与えます。また、読む
人に接続料金の負担を強いることにもなります。さらには、あまりに大規模なものは
コンピュータシステムに多大な負荷を与えることにもなりかねません。したがって、
このようなことは、他者への配慮の観点から慎むべきです。
出典:財団法人インターネット協会
(平成11年3月15日 電子ネットワーク協議会作成)
http://www.iajapan.org/rule/rule4general/main.html