「老女や老婆」という言葉は - つみかさね
https://3yokohama.hatenablog.jp/entry/2023/07/15/203327老女や老婆という言葉は、時代とともにその意味合いが変化してきました。昔
は、50歳代の女性でも「老婆」と呼ばれていましたが、現在では、70歳代や80
歳代になっても「老婆」と呼ばれることはほとんどありません。これは、平均
寿命が延びたことや、女性の社会進出が進んだことが原因と考えられます。
最近「72歳老女」と書いてある見出しを見てちょっと考えてしまいました。特
殊詐欺未遂の事件の逮捕者を「72歳老女」と表現しています。時代の変化に伴
い、この表現に違和感を抱きました。私と同年代で犯罪を犯したことも何とな
く心苦しいです。この年齢でという感じがしました。
最近は、「老婆」とか「老女」という表現ではなく、「何歳」「シニア」「高
齢者」といった表現が一般的になっていると思います。
昔の話で、昭和初めの新聞に50歳の女性が交通事故にあったとあります。また、
夏目漱石の「坊っちゃん」に「50歳くらいの老婆が」という一節が出てくると
言われていますが、青空文庫で全文検索しても「50歳くらいの老婆が」という
表現は見つかりませんでした。「坊っちゃん」に登場する「清」という人物は、
坊っちゃんを親身に世話をする「婆や」として描かれていますが、彼女の年齢
は40代後半のようですが、「老婆」と感じさせる描写もあります。
あえて昔風に「老婆」と呼ぶとすれば、何歳以上を指すのかは少し悩ましいで
す。平均寿命が80歳以上となり、「老婆」や「老女」という言葉もすんなり受
け入れられる感じではありません。政府が使用する「高齢者」や「後期高齢者
」も形式的な呼び方です。どのような呼び方が適切かは、検討が必要です。
・72歳老女「闇バイト」の受け子・出し子で特殊詐欺未遂…
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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/newsx/325964・ヒトの「生物学的な寿命」は55歳だった!……
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https://gendai.media/articles/-/112024