岡部伊都子さんの詩
「うったらあかん」
友達を 売ったらあかん
こどもらを 売ったらあかん
まごころを 売ったらあかん
本心を 売ったらあかん
情愛を 売ったらあかん
信仰を 売ったらあかん
教育を 売ったらあかん
学問を 売ったらあかん
秘密を 売ったらあかん
こころざしを 売ったらあかん
大自然を 売ったらあかん
いのちを 売ったらあかん
自分を 売ったらあかん
自分を 売ったらあかん
岡部 伊都子(おかべ いつこ、1923年3月6日~ 2008年4月29日)さんは、日本の随筆家です。大阪府大阪市出身。相愛高等女学校を病気のため中退しています。婚約者が沖縄戦で戦死し、戦後すぐ結婚しましたが7年後に離婚。1954年からラジオ番組に書いた随筆をまとめた「おむすびの味」(1956年)で文才を認められました。美術・伝統・自然・歴史・戦争・沖縄・差別・環境問題などのジャンルの著書が多数あります。主要著作は岩波書店より『岡部伊都子集』(全5巻)や、藤原書店より『岡部伊都子作品選・美と巡礼』(全6巻)にそれぞれ収められています。2008年4月29日、肝臓がんのために逝去されました。