投稿者 スレッド: 朝の霧  (参照数 297 回)

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朝の霧
« 投稿日:: 5月 29, 2013, 12:51:18 pm »
書名:朝の霧
著者:山本 一力
発行所:文藝春秋
発行年月日:2012/2/25
ページ:248頁
定価:1500円+税

作者山本一力の故郷土佐を舞台にした戦国ものです。全国的な知名度どころか、地元でも知る人が少ないようなマイナーな武将波川玄蕃を取り上げています。四国統一を目指す長宗我部元親と戦って和睦によって長宗我部の旗下に入り、元親の妹・養甫を娶り、土佐一国の統一の為の戦いでは常に先頭に立ち、連戦連勝で勇名を轟かす波川玄蕃。玄蕃を賞賛していた元親だったが、元親の妬心から二人の溝は広がっていき、やがて悲劇が。

何がコワイといって“女の嫉妬”よりコワイのは“男の嫉妬”である。それは、より陰湿を極める。従って、波川玄蕃の“器量”を真に理解し得るのは、味方元親よりも、戦場で刃を交える、敵将小早川隆景であった。そして理不尽にも玄蕃は謀叛の疑いをかけられ、詰め腹を切らされてしまう。
初めての戦国もの、戦い、戦略などは簡単に、そこに登場する人物に焦点を当てた物語の進行、新しい戦国ものの試みだと思う。