書名:五瓣の椿
著者:山本 周五郎
発行所:
頁数:266ページ
発売日:
定価:98円 Kindle版
婿養子の父親は懸命に働き、店の身代を2倍にも3倍にも大きくした。母親は婿
養子を馬鹿にして陰で不貞を繰り返した。それでも文句のひとつも言わず、懸
命に商売、お家大事で働く父親、労咳に侵された父親の最期の日々、娘の懸命
の願いも聞かず母親は若い役者と遊び惚けた。父親が死んだ夜、母親は娘に出
生の秘密を明かす。それを聞いた娘は父親の遺体が置いてある寮、そこには母
親と若い役者が眠っていた。その夜、天保五年の正月、むさし屋喜兵衛の寮か
ら火の手が上がり、焼跡から三人の焼死体が見つかった。三人は、長く結核を
患っていた当主喜兵衛と、妻おその、娘おしのと認められる。
その年の晩秋には、江戸の町々で殺人事件が起こる、死体の傍には必ず赤い椿
の花弁が残されていた。被害者はいずれも殺されて当然と思われるような悪名
高い男たちばかり。この事件に、与力青木千之助が捜査に当たる。聞き込みの
末に若い娘の影を掴むが、果たして娘とは・・・・・・。法で罰することのできない、
けれど到底許しがたい罪をどう裁くべきなのか?
時代劇シリーズ「五瓣の椿」
https://www6.nhk.or.jp/drama/pastprog/detail.html?i=goben