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ハリケーン
« 投稿日:: 8月 17, 2019, 04:02:45 pm »
書名:ハリケーン
著者:高島 哲夫 
発行所:幻冬舎
発行年月日:2018/1/10
ページ:302頁
定価:1600円+税

著者の作品は自然災害、原子力災害(メルトダウン)などリアルな作品が多く
興味を持って読んでいました。でもこの作品は著者が別人かという位迫力の無
い本です。もう少しインパクトがあっても良かったのではないかな?段々ネタ
切れになってきたか??
交通事故で家族を亡くした自衛隊員、広島の災害で家族全員無くした一人の少
年を救う。広島の災害で両親を亡くした気象庁に勤める予報官と妻と少年。そ
れぞれの過去の出来事が綴られている。高度成長期にどんどん土地開発をして
本来住んではいけないところに住んでしまった。広島の災害場所も、そんなと
ころは全国至る所にある。最新の危険マップを見れば一目瞭然。そんな所に以
前より多量の雨が降る。すると大規模な土砂崩れ、で家を失う人も出てくる。
するとまた元の位置に戻って家を再建するか?どうかで悩まないといけない。

でも危険な所は人間の浅智恵で対策してもやっぱり危険箇所。少子高齢化時代、
今まで以上に土地は余ってくる。思い切って別の場所に再建する方が結果的に
安上がりで安全になる。というようなことを主人公に言わせている。多分これ
が本音でしょうね。筋の悪い土地をいろいろてこ入れしてもやっぱりだめ。最
後のあたりでは多摩ニュータウンの以前開発されたところより山側に新しく宅
地造成している場所があって台風が近づいてくる。住民に避難勧告でも避難場
所の上は新しく宅地造成した場所。大雨が降る中住民達はどうするか?土地は
不動のものだけれど時間とともに変異している。長い長い年月で見ると地勢の
ままに落ち着くが、人間が手を入れているそんなところは大災害の虞がある。
昔は大丈夫だった経験も日々新たにしないといけない。そんなことを教えてく
れる本です。