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島根県の歴史
« 投稿日:: 3月 15, 2013, 06:07:33 pm »
書名:島根県の歴史
著者:松尾寿・田中義昭・渡辺定幸他
発行所:山川出版社
発行年月日:2005/4/10
ページ:338頁
定価:1900 円+ 税

近世出雲国、石見国、隠岐国は松江藩、浜田藩、津和野藩、幕府直轄地が入り組んだ地域で三国三様の歴史のある地域で、明治になって何回か線引きを繰り返して現在の島根県ができあがっている。全国どの都道府県も同じような成り立ちだったのでしょう。以前読んだ京都府の歴史と違って、この歴史書は良くできている。歴史を記述しながらその中に登場する事物、人々が生き生きと生きている。

筆者の文章力、教養の違いか?読んでいてとても面白い。歴史が好きになるきっかけを与えてくれる。同じシリーズの本ですが、筆者の意気込みがちがったのか?特に島根県は経済活動、地域振興などでは下位にランクされる県ですが、歴史的には無視できない重みがある。またまだまだ解明されていない出雲という未知の国がある。魅力あふれる土地柄である。戦国時代の尼子氏、毛利氏、大内氏、石見銀山を巡る争い。興味が尽きない。そんな島根県の歴史本です。

ちょっと興味をもったのは昭和10年12月8日大本事件の時、松江に大本別院があってそこで出口王仁三郎、すみが逮捕された。近代の歴史の中に出てくる。また戦後の経済成長で、中国山脈を越える鉄道、中国自動車道などが完成して地域の活性化がはかられると期待したが、全国の地方と同じでどんどん過疎化が進み、高齢化が進行するばかり、どこが悪かったのか?東京の侵略がこの地方の一地方にも浸食していく歴史が見えてくる。何気なく手にした本ですが、なかなか面白かった。

*大本教は、明治25年に神がかりした出口なおが開いた創唱宗教で、「艮の金神」(国常立尊)が物質文明・科学万能、強いもの勝ちのこの世の中を「立て替え立て直し」、争いのない平和な「みろくの世」をつくるという教義をもつ。
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