書名:最上義光
著者:伊藤清郎
発行所:吉川弘文館
発行年月日:2016/3/20
ページ:304頁
定価:2,300 円+税
吉川弘文館の人物叢書(日本歴史学会編集)シリーズの最上義光です。最上義
光の資料が少ないのか?著者の力不足か?読んでいてよくわからない本です。
山形藩の話か、最上氏の話か、それとも奥州一体の国人の勢力分布かが混在し
ていて最上義光について書いてあることが少ない。巻末の年表だけが詳しいと
いう本です。人物叢書という以上もう少し最上義光のことが判ると良いのです
が。
山形県内の各地の城の話、大崎氏、秋田氏、蘆名氏、伊達氏(これらは近隣関
係で婚姻関係があって、最上義光の妹が伊達政宗の母だったり、各氏族は親子
で相続問題で親殺し、子殺しが普通の常態になっている。最上義光の時代にな
って勢力範囲が一番広くなって57万石の大名になったが、長男を殺さざるを得
なかったことが遠因としてお家お取りつぶしになって、孫の代には5000石の旗
本(一応明治まで続いた)江戸時代の初期の頃に大名最上が無くなったことで、
史実としての資料が少なかったのかもしれないが、よくわかっていない最上義
光です。特に後世に出来上がった最上義光の伝説、物語などはこの本では取り
上げていない(史実か疑わしいので)
もう少し最上義光に絞って書いて欲しかった。