投稿者 スレッド: 八朔の雪 みおつくし料理帖  (参照数 298 回)

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八朔の雪 みおつくし料理帖
« 投稿日:: 8月 24, 2017, 09:08:23 pm »
書名:八朔の雪 みおつくし料理帖
著者:高田 郁
発行所:角川春樹事務所
発行年月日:2009/5/18
ページ:271頁
定価:552 円+税

享和二年(一八〇二)七月一日。淀川が決壊した。多くの死者が出た。漆師だ
った父伊助、母わかもこの水害で亡くなった。幼友達の直江(老舗のいとはん
)も行方不明になったままで、今でも生きていると信じている。神田御台所町
で江戸の人々には馴染みの薄い上方料理を出す「つる家」。店を任せされてい
る澪は天涯孤独の身であった。

幼い頃占い師が澪と直江の2人を占った。直江は「旭日昇天」凄く良い時は凄
い運、でも悪いときはとことん悪い。澪は「雲外蒼天」いろいろ障害が出てく
る、しかし最後には真っ青な空が見える。この小説の登場人物は澪をはじめ店
主の種市、以前の勤め先大坂の「天満一兆庵」の女将のよしなど定番の人々と、
ライバルとして登場する名料理屋「登龍楼」それらが繰り広げる物語。いやな
目にあってもくじけず、ひとつひとつ解決策を見つけていく健気な澪の生き様
は読む人に勇気を与えてくれる。江戸を舞台に上方言葉も流れてきて、なかな
か面白い。