書名:龍馬奔る 少年篇
著者:山本 一力
発行所:角川春樹事務所
発行年月日:2011/7/8
ページ:267頁
定価:1600円+税
山本一力の龍馬作品。坂本龍馬、中岡慎太郎の誕生から少年期を描いています。
天保6年11月15日、背中に濃い産毛をもった一貫もある元気な男の子が誕生した。
後の龍馬。慎太郎、どちらも郷士、大庄屋の家にうまれて比較的裕福な家庭で育
っている。龍馬が11歳になって室戸岬の鯨組(津呂組)に修行に行くところでこ
の篇はお終い。物語は一力流の語りが随所に生かされているが、今までの作品の
部分部分を繋いだ何となく手抜きの作品。場面場面をじっくり読むと以前に表れ
た表現も多い。売れっ子になってなんとなく緊張感、と新しいチャレンジがなく
、惰性で書いた感じがする。
初めて山本一力作品を読む人には面白いかも知れない。ちょっと期待はずれの作
品という気がする。次の篇はどう修正してくるか期待してみたい。