投稿者 スレッド: 異形の将軍 田中角栄の生涯  (参照数 168 回)

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異形の将軍 田中角栄の生涯
« 投稿日:: 3月 01, 2013, 09:53:45 pm »
書名:異形の将軍 田中角栄の生涯(上)
著者:津本 陽
発行所:幻冬舎
発行年月日:2002/11/10
ページ:317頁
定価:1700円+税

書名:異形の将軍 田中角栄の生涯(下)
著者:津本 陽
発行所:幻冬舎
発行年月日:2002/11/10
ページ:351頁
定価:1700円+税

田中角栄の生涯を描いた作品。田中が亡くなって(1993)から少し落ち着いて書
かれた作品。田中角栄については良く言う人、悪く言う人いろいろと多いが、比
較的に冷静に描いているのではないかとおもう。少なくとも今の政治家とは全く
スケールの違う怪物?政治がなんたるかを知っていたように思う。金権政治の権
化のように言われた(三木首相など)でも「清く正しく美しく」で大成した政治
家も実業家もいないことは事実。新潟の雪深い街を出て東京に上京した少年が総
理大臣までなるストーリー、戦後のいろいろな事件、出来事と絡めて読むことが
出来る。今の何も決められない政府、政治を見るにつけ、先人の知恵の一部でも
煎じて飲む必要があるのではないかと思う。

田中角栄の特徴として
・官僚への独特の人心収攫術
・人間味ある政治家
・人が集まる陽生の性格、行動
・就職と結婚の世話で獲得した票は絶対にはなれない
・関連する法律が全部具体的なケースでヨコにサッと出てくる経験主義
・佐藤や福田にない機微を知る
・人に金を与えるとき、相手が予想しているより多い額を渡たす
・前に向かって進む時は強い(コンピューター附きブルドーダー)

逆に苦手なことは
守りに入るとすぐに諦めてしまう。(首相の地位)
刑務所の塀の上を歩くような危なっかしさがある。(踏み外せば塀の中)