投稿者 スレッド: 東京ブラックアウト  (参照数 306 回)

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東京ブラックアウト
« 投稿日:: 1月 05, 2016, 12:57:24 am »
書名:東京ブラックアウト
著者:若杉 冽
発行所:講談社
発行年月日:2014/11/4
ページ:334頁
定価:1600円+税

前作『原発ホワイトアウト』は大ベストセラー、その作品を凌ぐ迫力ある物語です。キャリア官僚が書いたリアルな告発の書。

福島第一原発事故の収束も終わっていない。なんにも解決していないのに「「原発再稼働」が既定路線のように進む日本」その裏には真っ黒な陰謀が渦巻いていた。「原発再稼働」を認めれば、「発送電分離」は不可能となる。電力マフィアはメルトダウン中に「原発再稼働」を考える生き物。

この本では福島第一原発事故に続いて、「原発再稼働」を始めた一つの原発でメルトダウンが起こって東京から京都に遷都せざるを得なくなる。そんな場合でも遷都の費用を原発税を設けて集めるという官僚、どんな場合でも都市の住民、原発周辺住民などは全く無視。実際の事故で避難計画なんて絵に描いた餅ということを説得ある描写で描いている。また選挙の裏では、原発推進では選挙に勝てない。

保守党に反原発、脱原発を公約に、但し原発ゼロ、即原発ゼロはいうな?候補者に電力マネーを配る条件。当選した暁には、即ゼロとは言っていない。将来的に脱原発だったと開き直る戦略。この本を読んでいると前回の衆議院選挙の裏がよく見えてくる。園遊会で天皇に直訴した国会議員がいたが、日本の法律では天皇に請願を送る仕組みがある。内閣官房内閣総務官室に手紙を出すと天皇陛下へ届くとのこと。この本の中でも総理大臣の宮中での認証式で天皇が拒否するという場面が出てくる。即摂政(皇太子)を設けて認証するという場面が出てくる。作者はキャリア官僚ということであるが、どんな人だろう。官僚社会、政治の世界、そして裏の世界にかなり詳しい。また官僚の行動にも詳しい。この本に出てくるようなことが今後現実のものとならないことを祈らずにはいられない。

今上陛下への請願の送付先
〒100-8986
東京都千代田区永田町1-6-1
内閣官房内閣総務官室

『東京ブラックアウト』若杉冽×古賀茂明 告発対談
「キャリア官僚はメルトダウン中に再稼働を考え始める生き物です」
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/42017
天皇が安倍首相の原発再稼働を批判? キャリア官僚による告発小説の衝撃の内容
http://lite-ra.com/2015/01/post-786.html