投稿者 スレッド: 白州次郎占領を背負った男  (参照数 436 回)

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白州次郎占領を背負った男
« 投稿日:: 3月 01, 2013, 02:37:26 pm »
書名:白州次郎占領を背負った男
著者:北康利
出版社:講談社
発行年月日:2006.4.13
定価:1800円+税

「十一面観音巡礼」などの著書がある白州正子の旦那さん(実はこちらの方が
ずっと凄い人物かもしれないけれど、白州正子の旦那さんという紹介が多いよ
うです。
マッカーサーを叱った男、風の男などなど、非常に格好の良いジェントルマン
です。戦後の占領時代吉田首相の影で大活躍した表に出てこない男ですね。
 白州次郎のことはいろいろな本が出ているので読んではいたのですが、この
本は作者は若いのですが、取材が良いですね。思わず一気に読んでしまう本で
す。
進駐軍・・・占領軍、
民政局・・・統治局、
PKO(平和維持活動)・・・平和維持作戦
国際連合・・・連合国
規制緩和・・・規制撤廃

英語を訳すときにいろいろと国民感情を考えて軟らかい表現にしているのですね。
こんな事もわかってくる。もう一度日本語になった、訳された外来語をじっくり
眺めてみるのもその時代、時代が見えてきて面白いのではない無いでしょうか?
戦争は悲惨で大変だったかもしれないが、占領軍に占領された6年、GHQとの交
渉に奔走した日本人がいたことも少し、みんなが知る必要もあるように思う。
戦後の復興の柱になる通産省も白州次郎が立ち上げた事業。なかなかかっこの良
いエリートです。地位とか政治には無関心、適材適所に人を配置して、事業が上
手くいきそうだとするとすぐに手を引く、鶴川の百姓に戻ってしまう。武相荘
(無愛想をもじっているのか)と名付けた白州夫妻の住み処。

100年に一人でるか出ないかの人物では。それにしては歴史からは忘れられて
いる。公文書の中に日本憲法(GHQのお仕着せ)の成立過程の報告書中に「今に
見ておれ」なんて言葉を残している。ベアテ・シロタ(女性ロシア系ユダヤ人)
がこの日本憲法特に女性の地位向上に大きく貢献していることなど初めて知った。
 
遺言は「葬式無用、戒名不用」。まさに自分の信条(プリンシプル)を貫いた。

旧白洲邸 武相荘 -白洲次郎-
http://www.buaiso.com/hito/jirou/jirou.html
北康利の講演会(武相荘)
http://www.buaiso.com/moyoosi/kouen/kouen.html