投稿者 スレッド: 真実の満州史[1894-1956]  (参照数 272 回)

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真実の満州史[1894-1956]
« 投稿日:: 5月 18, 2015, 07:00:12 pm »
書名:真実の満州史[1894-1956]
著者:宮脇 淳子
発行所:ビジネス社
発行年月日:2013/7/3
ページ:317頁
定価:1700円+税

前作の真実の中国史【1840-1949】の続編
今、中国というと中華人民共和国の事をさすが、この本が扱っている当時は中国とは読んでいない。中華民国が成立してからの呼称が中国だった。この本の扱っている満州というのは形の上では清朝の正統な後継国で、その皇帝溥儀から中華人民共和国が引き継いだことになっている。したがって日本が戦っていた。侵略したといわれる中国という主体は?どこか。戦後全て中国という一言で片付けてしまっているが、実は満州は日本史に含めて考えないと理解出来ないと著者はいう。

また日本人といったときに台湾、朝鮮、満州に居た人々、内地の日本人、日本に併合された朝鮮人、日本に併合された台湾人、そして朝鮮人で満州に移住した人々、それらを含めて日本人、そんな視点から満州という国を眺めたのが本書です。日清戦争が始まった1894年(明治27年)から、ソ連からの引き揚げ船が舞鶴に入港する1956年(昭和31年)までを開設している。今まで誰も指摘したことがないユニークな視点で説明している。萎縮した日本人観から出てこない見方です。歴史は政治の問題、そしてそれらのレッテルは政治家、学者がよってたかって自国の有利なように作る。

そんなバリアーを取り去って見直すことが必要。定説とされていることにも一杯、現代の損得が含まれている。戦後70年たっても未だに事実を見ることができない中国・朝鮮はやっぱり旨くいっていない。したがって自国のことはさておいて国外問題、国際問題にしたくなる。そしてそのように振る舞っている。著者は歴史は現代と昔しかない。

西洋の考え方で、新しいほど進歩するというのは間違い。進化論の考え方もおかしいと言っている。70年以上前の主体は誰で、その後継者は?日清戦争にしても、朝鮮併合にしても当事者たちは?今の人達とどういう関係にあるのか?そんな初歩的なことから見ていかないないと。中華民国の蒋介石と共産党の毛沢東は敵同士、併合された朝鮮の主体は。今で避けてきたことに敢えて踏み込んでいます。全て鵜呑みには出来ないけれど考えるヒントが散りばめられていると思います。

本書より
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「なぜ満洲と呼ばれるのか?」といった素朴な疑問から、「旅順虐殺の真相」「関東軍の謀略は本当にあったのか?」「日本と欧米の植民地政策の大きな相違点」など、日本人と中国人の歴史観のギャップによって見えなくなってきた「史実」を解き起こす、まさに「真実の満洲史」である。 中国の立場から見た歴史観にも、戦後日本の自虐史観に則らない、世界から見た「史実」とはいかなるものか?中国共産党・毛沢東によって書き換えられた歴史を鵜呑みにしてきた日本人に、真実の歴史を解説していく。歴史とは勝者によってつくられる。 「今回の『真実の満洲史』では、大陸と日本との関わりが一番の焦点になります。それこそ、われわれ戦後の日本人が正面から向き合うことを避けてきた、もっとも不得手な分野です。つまり、満洲の歴史をどう見るのかということは、日本人の歴史観を問う鏡のようなものなのです」

「今回の『真実の満洲史』では、大陸と日本との関わりが一番の焦点になります。それこそ、われわれ戦後の日本人が正面から向き合うことを避けてきた、もっとも不得手な分野です。つまり、満洲の歴史をどう見るのかということは、日本人の歴史観を問う鏡のようなものなのです」

▼アメリカは日本人のことを恐れていたので、大東亜戦争で本気で叩き潰したかったのでしょう。国際法を無視して、無差別空襲や通商破壊、さらには原爆投下まで行いました。アメリカは日本の一般人を虐殺しまくっています。

 日本人は国際法のルールを破っていませんが、戦後はなぜかそれが逆転して、日本が悪かったことにされています。アメリカと中国の利害が一致したので、南京大虐殺などと言い出したのです。こういったことが、なぜ普通の日本人にはわからないのでしょうか。正直に言って、わからない日本人はもう駄目だと思います。

 歴史は解釈の学問なので、恣意的に事柄を選んでいえば、日本だけが悪かったと説明することは可能です。今の基準から見て日本が悪いことをしたのは本当でも、その前にもっと悪いことをしている相手がいるのに、それについては何も言わないからです。
 
 また、今の日本人は、当時の日本が弱かったと思い込まされています。これは完全なマインドコントロールです。「日本は弱い」と日本人が思ってくれることが利益となる人たちが口裏を合わせて、日本以外のすべての外国が今に至るまでそう言い続けているのです。

 実際にはアメリカもソ連も、当時は日本が怖くてしようがなかったのです。戦後は諸外国が寄ってたかって日本を叩いて、国政連合でも敵国条項を続けています。ソ連が崩壊し、アメリカも国力が弱ってきて、中国が力をつけてきた現在でも、「日本が悪い、日本が悪い」と言い続けないと、自分たちの立場が維持できないのです。放っておくと、自国の民衆が日本の方がいいと言い出してしまうからです。

 当時の日本人は強かったのだと実感する日本人が、今ではすっかりいなくなってしまいました。「日本は国際連盟を脱退しなければよかった」「アメリカと戦争するなんて馬鹿なことをした」などといったことばかりを子供たちに教えています。確かに、これまで日本が重ねてきた長い歴史のなかで、この時代ほど、たくさんの日本人がひどい目にあい、亡くなったことはありません。しかしながら、やはり歴史というものはしっかりと残って、経験にもなるのです。

 嘘をついても、嘘というのは永久にはつききれません。どこかでバレて、ぼろが出ます。日本人がしてきたことは、やはり無駄にはなっていないですし、日本の底力というか、「怒ったら怖いんだぞ」という印象は世界中に残っています。「もう少しなんとかすればよかった」というのはありますが、日本の歴史はきちんと残っていて、明治以降の積み重ねが、今の日本の土台になっているということを、日本人はしっかりと認識すべきです。

 それを理解した途端に、日本人は元気になると思います。日本の歴史の本当の姿がわかれば、それだけで将来は開けると私は思うのです。従って、今、日本のなかで自国民が誇りを持つことに対して滅茶苦茶に足を引っ張っている嘘を、取り払っていくだけで、それ以上は何も言わなくても、日本人は勢いよく前へと進めると思います。(268~270頁より引用)


日本が戦前、日韓併合をしたり満州国をつくったりしたことを、現地に「負い目」があるという人がいますが、私は、「負い目」ではなく「責任」がある、と考えるべきだと思います。これらは、よく似た言葉に見えますが、180度違います。
 
 今の北朝鮮や、中国に対して、「われわれは、こんな国をつくろうとしたのではない。もっと立派な国をつくろうとしたんだ。国民を幸せに暮してほしいと願って投資したのに、異民族の支配は嫌いだと日本人を追い出しておいて、同じ民族になら、殺されても満足なのか。その後、なぜこんな状態いなったのだ」と、日本人は抗議する権利があると思うのです。

 日本人が一生懸命したことに対して、中国や韓国がひたすら批難するのは、前政権を否定しなければ、自分たちの正当性が証明できないから、という向こうの理由であって、日本人がそれをそのまま認める必要はまったくありません。

 日本の敗戦後65年以上たって、私たちが理想を抱いて開拓した土地が、その後どんなふうになっているかを、私たち日本人はずっと見続ける、ウォッチする義務があるのであって、それは負い目ではなく責任なのです。日本人は、現地をいい国にする責任があります。なぜなら、私たちは一度そこを日本にしたからです。責任を取るというのはそういうことだと思います。この本を読んで、そういったものの見方ができるようになってもらえればうれしいです。