投稿者 スレッド: 貸すも親切貸さぬも親切  (参照数 623 回)

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貸すも親切貸さぬも親切
« 投稿日:: 2月 17, 2013, 10:38:01 pm »
書名:貸すも親切貸さぬも親切
   私の体験的経営論
著者:小原 鐵五郎
発行所:東洋経済新報社
発行年月日:1983/7/28
ページ:223頁
定価:1000円+税

「今アメリカに起こっているきわめて異常な事態を、ある人は金融革命と呼んでいるが、その実態は、私に言わせれば金融混乱以外のなにものでもない。」金融の自由主義だときれい事をならべているが、新商品を開発して次々目先を変えて、高金利を餌に庶民のカネを集めようとして、いっそう混乱に拍車をかけている。と金融のお遊びを痛切に批判している。小原鐵五郎伝に書かれている内容が多い。

 中小企業の健全な育成発展、豊かな国民生活の実現、地方社会の繁栄への奉仕の3つを信用金庫の使命として65年に渡る体験から出てきた珠玉の言葉、行動がちりばめられている。
世の中が変わっても勤倹貯蓄こそ繁栄の源と説く、カードローンやサラ金、借金亡国。カネを貯めてから使うか?使ってから返すか?考えなくても分かるだろう!

金融機関が利益、金儲け、リスクを先に庶民、お客様、お得意様を見ないで、世間、大蔵省、株主を見る。見るところが逆。担保があるから貸すのではなく、何に使うか、どう使うか、どれだけ使うか、そして誰が使うかを見て融資する。その目が狂っていなければそのお金が生きてくる。お金を生かして使う。それが金融機関の役目と。銀行を見ているとそんな事を全く考えていないように見える。同じ金融機関でも全然視点が違う。これは小原鐵五郎氏だからなのか。小原哲学と呼ばれている(また小原鐵学)哲学、二宮尊徳の報徳社にも通じるところがある。相互扶助の精神。なかなか示唆に富んだ発言が多い。

本書より
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長寿の詩
五十六十は花なら蕾
七十八十は働き盛り
九十になって迎えが来たら
百まで待てと追い返す

五十の歳月は人生の中なり
七十にして矍鑠荘者を凌ぐ
八十の道は静かにして風月を楽しむ
百歳にして始めて開く天寿の花
(京都大徳寺 尾関宗園師)


心訓
1.世の中で一番楽しく立派な事は 一生涯を貫く仕事を持つ事です
1.世の中で一番みじめな事は 人間として教養のない事です
1.世の中で一番さびしい事は する仕事ない事です
1.世の中で一番みにくい事は 他人の生活をうらやむ事です
1.世の中で一番尊い事は 人の為に奉仕して決して恩にきせない事です
1.世の中で一番美しい事は すべてのものに愛情を持つ事です
1.世の中で一番悲しい事は うそをつく事です。