書名:五体不満足
著者:乙武 洋匡
出版社:講談社
年月日:1998.10.20
定価:1600円+税
著者は早稲田大学の学生で生まれつき手足のない乙武洋匡君。
手足のないことが僕の特長、せっかく与えてもらった障害を活かしきれてい
ないと本書の中でも述べているが、とにかく明るい。つよい、読んでいる者
に勇気を与えてくれる。一気に読んでしまった。読んでいるときに全くと言
っていいほど障害者ということを感じない。ある若者の生き方、生き様、人
生観といったものまた生きることに対する執念、心構え等障害者、健常者を
問わず打たれるものがある。
この本を読んでいると障害者、健常者って何なんだろう?と思わず考えて
しまう。
非常にさわやかな若者、若さ故の特権を謳歌している様が、明るく楽しく
読ませてくれる。良い両親に恵まれたのだろう。障害者を特別扱いしない、
普通の子と同じにするところと、障害のために出来ないこととを区別しなが
ら、素直な心を育ててくれたのではないか?
「障害は不便である。しかし不幸ではない」ヘレン・ケラー
で結んであった。読んだ後ある種の爽快感を味わうことのできる本であっ
た。これからの世界を「与えて貰った障害を活かし切る」ことの出来る生き
方をして貰いたいと願っている。