書名:電脳は自由をめざす
著者:森 毅
出版社:読売新聞社
発行年月日:1996-7-22
定価:1262円+税
森毅のエッセー集である。数学者であり、定年退職後はいろいろなところに
顔を出している。多彩な人、ユニークな視点に立って世の中を斜め、横、裏
、上からといろんな所から眺めている。そして一番はやっぱり自分自身が一
番楽しんでいるという感じの人である。
老人の自立は自由にあって、地位の安定ではない。地位のないほうが、もの
も自由に言える。過去の貢献によって、敬老をいうばかりでは現在に生きら
れぬ。自立とは、なにより現在を生きることであって、過去にこだわること
は老人の自立への妨げになりかねない。社会の活力にも悪い。
地位は壮年、老年になったらフリー、こちらに考えを移した方がよくない
か。老後の安定より、老後の自由。
(本書117ページ)
本の題名と内容は殆ど関係がない、非常に幅が広く雑学的、散文的エッセー
集である。ただどのページから開いても読むことが出来る。気軽に楽しめる
面白い本である。