投稿者 スレッド: 八本目の槍  (参照数 468 回)

admin

  • Administrator
  • Hero Member
  • *****
  • 投稿: 59138
    • プロフィールを見る
八本目の槍
« 投稿日:: 4月 15, 2020, 06:00:42 pm »
書名:八本目の槍
著者:今村 翔吾
発行所:新潮社
発行年月日:2019/7/20
ページ:394頁
定価:1800円+税

秀吉の天下取りの柴田勝家と佐久間盛政らと戦った。賤ヶ岳の戦いで秀吉子飼
いの近習で勇名をはせた加藤清正,福島正則,加藤嘉明,平野長泰,脇坂安治
,糟屋武則,片桐且元の7人を賤ヶ岳七本槍という。実際は七本槍以外にも石
田三成や大谷吉継、一柳直盛も含めた羽柴家所属の14人の若手武将が最前線で
武功を挙げたと記録されている。

著者は8本目の槍として石田三成を想定して。この賤ヶ岳七本槍を1人ずつ、若
い頃のエピソード、同窓会のような雰囲気、それぞれ個性をもった各位がそれ
ぞれ出世する者、出世できず賤ヶ岳七本槍の手柄で貰った3000石止まりのもの、
それぞれをひとりひとり章立てをして「石田三成」の人となり、またこの国を
どんな国したかったのか?関ヶ原の戦いをなぜ行ったか?そして豊臣家をどう
したかったのか?米と金の相場を予見して関ヶ原以降の徳川家の米が金に比べ
て10分の1位の価値を持たせなかった。したがって徳川は直ぐには大阪を攻
撃をすることが出来なかった。敗戦をもちゃんと戦略として入れていた石田三
成の常人とは全く違った発想が見えてくる。なかなか面白い7人の人物像です。
今までとは全く違った見方で、新鮮味を感じる作家です。
ちょっとこれから注目したいと思う。1月に図書館に予約しておいたのですが、
貸し出しの通知が来たときにはなぜ頼んだのか?全く失念していたのですが、
読んでみてそれが判った。面白い作品です。

【書評】『八本目の槍』今村翔吾著
https://www.sankei.com/life/news/190901/lif1909010025-n1.html