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公家
« 投稿日:: 8月 05, 2018, 06:08:41 pm »
摂家
摂家(せっけ)とは、鎌倉時代に成立した藤原氏嫡流で公家の家格の頂点に立った5家(近衛家・九条家・二条家・一条家・鷹司家)のこと。大納言・右大臣・左大臣を経て摂政・関白、太政大臣に昇任できた。摂関家(せっかんけ)、五摂家(ごせっけ)、執柄家(しっぺいけ)ともいう。この5家の中から藤氏長者も選出された。

清華家
清華家(せいがけ)とは、公家の家格のひとつ。最上位の摂家に次ぎ、大臣家の上の序列に位置する。大臣・大将を兼ねて太政大臣になることのできる7家(久我・三条・西園寺・徳大寺・花山院・大炊御門・今出川)を指すが、のちに、広幡・醍醐を加えて9家となった。また、豊臣政権時に五大老だった徳川・毛利・小早川・前田・宇喜多・上杉らも清華成を果たしており、清華家と同等の扱い(武家清華家)を受けている。


大臣家
大臣家(だいじんけ)とは、公家の家格のひとつで、摂家、清華家に次ぐ家格。
    正親町三条家(嵯峨家):藤原北家閑院流三条庶流。
    三条実房の子公氏が祖。維新後、嵯峨家に改号。旧家。家業は有職故実。
    三条西家:藤原北家閑院流正親町三条流。
    正親町三条実継の子公時が祖。旧家。家業は香道、和歌、有職故実。
    中院家:村上源氏久我同祖。
    久我通親の子通方が祖。旧家。家業は有職故実。

大臣家は元は清華家の庶流から生まれた家であり、清華家に準じて昇進(ただし、摂家・清華家が任じられない参議を経て中納言となる)して、大臣に欠員が出た場合、大納言から近衛大将を経ずに直接内大臣に昇進する家柄である(清華家とは異なり近衛大将を兼ねることはできない)。極官は太政大臣(ただし、江戸時代の太政大臣は摂政・関白経験者に限られた)であるが、希に右大臣に昇進した例(三条西実条・中院通躬)がある程度で、現実には大臣家から内大臣を超えて昇進した事例は少ない。准大臣以上に昇進したのは中院家(通方から通富まで25代)で10人[注 1]、正親町三条家(公氏から公勝まで29代)で8人[注 2]、三条西家(公時から公允まで17代)で6人[注 3]と、大臣輩出率は高いとは言えない[1]。維新後は伯爵となったが、嵯峨家(正親町三条家)はのちに侯爵となった。

羽林家
羽林家(うりんけ)は、鎌倉時代以降の公家の家格のひとつで、摂家、清華家、大臣家の下、名家と同列、半家の上の序列に位置し、江戸時代の武家官位においては各大名家に与えられる家格に相当する。
2 藤原北家閑院流(23家)
    姉小路家:三条庶流。三条実房の子公宣を祖とする。一時中絶するが、江戸初期に阿野実顕の三男公景が相続。新家。
    阿野家:滋野井庶流。藤原成親の子藤原公佐が滋野井実国の養子になり家を興す。旧家。家業は(神楽)。
    梅園家:西園寺庶流橋本家分家。橋本実勝の次男実清が分家し創立した。旧家。
    裏辻家:正親町庶流。正親町季康の子季福が祖。新家。元は裏築地を称していた。
    正親町家:洞院庶流。本院公守の子実明が祖。旧家。家業は箏・(筆道)の家。
    大宮家:西園寺庶流。西園寺公益の次男季光。新家。
    小倉家:洞院庶流。洞院実雄の子公雄が祖。旧家。家業は(神楽)。
    押小路家:三条西庶流。三条西公勝の子公音が祖。新家。
    風早家:姉小路庶流。姉小路公景の次男実種を祖とする。新家。家業は(茶道)。
    河鰭家:滋野井庶流。滋野井実国の二男公清が祖。旧家。家業は(神楽)。
    滋野井家:三条庶流。三条公教の二男実国が祖。旧家。家業は神楽・(有職故実)。
    清水谷家:西園寺庶流。西園寺公経の子実有が祖。旧家。家業は能書・笙・(能楽)・(神楽)の家でもある。
    高松家:武者小路庶流。武者小路実陰の子重季を祖とする。
    西四辻家:四辻庶流。四辻公亨の子公碩が祖。新家。家業は(箏)。
    橋本家:西園寺庶流。西園寺公相の子西園寺実俊から始まる。
    花園家:正親町三条庶流。初代実久は正親町三条公兄の孫とされるが、年代的に合わず信じがたい。新家。家業は(琵琶)。
    武者小路家:三条西庶流。三条西実条の子公種が祖。新家。家業は(歌道)。
    山本家:滋野井庶流。阿野実顕の末男、勝忠が祖。新家。
    四辻家:西園寺庶流。西園寺公経の四男実藤が祖。旧家。家業は神楽・和琴・箏。維新後室町家に改名。
以下 4家は純粋には藤原北家公季流ではないが閑院流に属する。

    藪家:藤原南家高倉(藪)嫡流。藤原貞嗣後裔の藤原範季が祖として高倉家を興す。戦国時代末に中絶後、江戸時代初期に四辻公遠の子範遠、次いで弟嗣良が高倉家を継いでのち藪家に改めた。維新後、再度高倉家に改名。新家。家業は神楽・箏。
    中園家:藤原南家高倉(藪)庶流。藪嗣良の末子季定が祖。新家。
    高丘家:藤原南家高倉(藪)庶流。中園季定の末子季起が祖。新家。
    園池家:藤原北家四条流櫛笥庶流。櫛笥隆致の子宗朝が祖。公屋が正親町三条実昭の猶子となったため、閑院流正親町三条庶流となった。新家。
3 藤原北家花山院流(5家)
    中山家:花山院庶流。花山院忠宗の子忠親が祖。旧家。家業は(花)。
    難波家:難波嫡流、のち飛鳥井庶流。藤原師実の五男忠教が祖。南北朝時代に中絶後、江戸時代初期に飛鳥井雅庸の子宗勝が再興し飛鳥井家庶流となった。旧家。家業は蹴鞠。
    飛鳥井家:難波庶流。難波頼経の子飛鳥井雅経が祖。旧家。家業は和歌・蹴鞠・(書道)。
    野宮家:花山院庶流。花山院定熙(定凞)の孫野宮定逸が祖。新家。
    今城家:花山院庶流。中山親綱の二男で冷泉為満の養子である冷泉(中山冷泉)為親の孫・為継(定淳)が祖。新家。
4 藤原北家中御門流(9家)
    中御門家(通称:松木家):中御門嫡流(勧修寺流の中御門家とは別)。藤原頼宗の孫宗俊が祖。旧家。家業は笙・(楽道)。
    持明院家:持明院嫡流。藤原頼宗の孫通基が祖。旧家。家業は能書、神楽・(鷹)。
    園家:持明院庶流。持明院基家三男基氏が祖。旧家。家業は琵琶・(華道・青山御流家元)。
    東園家:持明院庶流。園基任の二男基教が祖。新家。家業は(神楽)。
    壬生家:持明院庶流。園基音の末男葉川基起の曾孫壬生俊平が祖。新家。
    高野家:持明院庶流。持明院基定の子保春が祖。新家。家業は(神楽)。
    石野家:持明院庶流。持明院基時の子基顕が祖。新家。家業は(神楽)。
    石山家:持明院庶流。葉川基起の子師香が祖。新家。家業は(書道)。師香の跡は、その実子である直宗と利香が相次いで早世し、姉小路公城(改名して石山基名)が養子となり跡を継いだ。歴代当主は姉小路家#閑院流を参照のこと。
    六角家:持明院庶流。葉川基起の末男波多基維の子益通(実は東園基量の子)が祖。新家。家業は(書道)・(神楽)。
5 藤原北家御子左流(4家)
    冷泉家(上冷泉):御子左嫡流。藤原為家の子為相が祖。旧家。家業は和歌・蹴鞠。
    冷泉家(下冷泉):御子左支流。冷泉為尹の子持為が祖。旧家。家業は和歌。
    藤谷家:御子左庶流。上冷泉為満の子為賢が祖。新家。家業は(歌道)。
    入江家:御子左庶流。藤谷為条の子相尚が祖。新家。家業は(歌道)。
6 藤原北家四条流(7家)
    四条家:四条流嫡流。藤原家成の子隆季が祖。旧家。家業は笙・(庖丁)。
    山科家:四条支流。藤原家成の六男実教が祖。旧家。家業は笙・装束・(衣紋)・(有職故実)。
    西大路家:四条庶流。四条隆行の子隆政が祖。旧家。家業は(筆道)。
    鷲尾家:四条庶流。四条隆親の三男隆良が祖。旧家。家業は神楽・(膳羞)・(華道)。
    油小路家:四条庶流。西大路隆政の子隆陰が祖。旧家。
    櫛笥家:四条庶流。四条隆昌の猶子隆憲(正親町三条公兄の孫)が祖、その孫隆朝が櫛笥を号した。新家。
    八条家:四条庶流。櫛笥隆賀の二男隆英が祖。新家。
7 藤原北家水無瀬流(5家)
    水無瀬家:水無瀬流嫡流。藤原道隆の後裔坊門親信が祖。旧家。
    七条家:水無瀬庶流。水無瀬氏成の子隆脩が祖。新家。
    町尻家:水無瀬庶流。水無瀬兼俊の二男具英が祖。新家。
    桜井家:水無瀬庶流。水無瀬兼俊の末男兼里が祖。新家。
    山井家:水無瀬庶流。桜井兼里の二男兼仍が祖。新家。
8 藤原北家高倉流(2家)
    堀河家:高倉庶流。水無瀬親具(本姓:高倉)の子康胤が祖。新家。
    樋口家:高倉庶流。水無瀬親具(本姓:高倉)の子信孝が祖。新家。
9 宇多源氏(3家)
    庭田家:敦実親王の後裔源経資が祖。旧家。家業は神楽・(筆道)・(花)。
    綾小路家:庭田庶流。庭田有資の子信有が祖。旧家。家業は琵琶・笛・篳篥・箏・神楽・(蹴鞠)。
    大原家:庭田庶流。庭田重条の猶子栄顕(実は葛岡宣之あるいは葛岡仲賢の子)が祖。新家。家業は(神楽)。
10 村上源氏(8家)
    六条家:久我支流。久我通光の五男通有が祖。旧家。
    岩倉家:久我庶流。久我晴通の子具堯が祖。新家。
    千種家:久我庶流。六条通忠の子忠顕が祖。室町時代前期に中絶後に江戸時代初期に岩倉具尭の四男有能が再興。新家。家業は(和歌)。
    東久世家:久我庶流。久我通堅の三男通廉が祖。新家。
    久世家:久我庶流。久我敦通の末男通式が祖。新家。家業は(和歌)。
    梅溪家:久我庶流。久我通世の二男季通が祖。新家。
    愛宕家:中院庶流。中院通純の猶子通福(実は桜井具堯の子有清三男)が祖。新家。
    植松家:久我庶流。千種有能の末男雅永が祖。新家。家業は(華道)。

名家 (公家)
名家(めいけ、めいか)とは、鎌倉時代以降に成立した公家の家格のひとつで、羽林家と同列で、半家の上の序列に位置する。
藤原北家日野流
藤原北家の日野流に12家:

    日野家:日野流嫡流。藤原真夏の後裔日野兼光の子資実が祖。旧家。家業は儒道・歌道。
    広橋家:日野家支流。日野兼光の五男頼資が祖。旧家。家業は文筆。
    柳原家:日野家支流。日野俊光の四男資明が祖。旧家。家業は文筆。
    烏丸家:日野家支流。日野資康の三男豊光が祖。旧家。家業は和歌。
    竹屋家:広橋庶流。広橋仲光の三男兼俊が祖。旧家。
    日野西家:広橋庶流。広橋総光の三男総盛が祖。新家。
    勘解由小路家:烏丸庶流。烏丸光広の二男資忠が祖。新家。家業は儒道。
    裏松家:烏丸庶流。烏丸光賢の二男資清が祖。新家。
    外山家:日野庶流。日野弘資の二男光顕が祖。新家。
    豊岡家:日野庶流。日野弘資の三男有尚が祖。新家。
    三室戸家:柳原庶流。柳原資行の子誠光が祖。新家。
    北小路家:柳原庶流。三室戸誠光の子徳光が祖。新家。

藤原北家勧修寺流
藤原北家の勧修寺流に13家:

    甘露寺家:勧修寺嫡流。藤原高藤の曾孫為輔が祖。旧家。家業は笛・儒道。
    葉室家:甘露寺支流。藤原為房の子顕隆が祖。旧家。
    勧修寺家:甘露寺支流。甘露寺資経の子経俊が祖。旧家。家業は儒道。
    万里小路家:甘露寺支流。甘露寺資経の子資通が祖。旧家。
    清閑寺家:甘露寺支流。甘露寺経長の子資房が祖。旧家。
    中御門家:勧修寺庶流。観修寺経俊の子経継が祖。旧家。
    坊城家:勧修寺庶流。観修寺定資の子俊実が祖。旧家。家業は紀伝道。俗に小川坊城と号す。
    芝山家:勧修寺庶流。観修寺光豊の子宣豊が祖。新家。
    池尻家:清閑寺庶流。清閑寺共房の子共孝が祖。新家。
    梅小路家:清閑寺庶流。清閑寺共房の子定矩が祖。新家。
    岡崎家:中御門庶流。中御門尚良の子宣持が祖。新家。
    穂波家:勧修寺庶流。観修寺経広の子経広が祖。新家。元は海住山と号す。
    堤家:甘露寺庶流。甘露寺嗣長の子中川貞長が祖。その子輝長より堤と改める。新家。

桓武平氏高棟王流
桓武平氏の高棟王流に3家:

    平松家:西洞院庶流。西洞院時慶の子時庸が祖。新家。
    長谷家:西洞院家庶流。西洞院時慶の子忠康が祖。新家。
    交野家:西洞院家庶流。西洞院時慶の子時貞が祖。新家。

半家 (公家)
官位に関しては羽林家や名家に準じて昇進し、一部の家は近衛中将や左右大弁を経ないで大納言を極官とするが、公卿となっても非参議に留まるものが多い。
藤原氏(2家)

    高倉家:藤原北家高倉流。藤原冬嗣の子長良の後裔永季が祖。旧家。家業は有職故実・装束。
    富小路家:藤原北家摂関流二条庶流。二条道平の次男道直が祖。旧家。家業は和歌・俳諧

清和源氏(1家)

    竹内家:清和源氏で源義光の四男盛義の後裔季治が祖。旧家。家業は弓箭・笙・和歌。

宇多源氏(2家)

    五辻家:宇多源氏。庭田同祖。源雅信の子時方六世孫仲兼が祖。旧家。家業は神楽。
    慈光寺家:五辻庶流。五辻遠兼の子仲清が祖。戦国時代末に断絶後、江戸時代初期に冬仲が再興。新家。

花山源氏(1家)

    白川家:花山源氏。清仁親王の後裔源顕康が祖。旧家。神祇伯を世襲し伯家と呼ばれた。

桓武平氏(2家)

    西洞院家:高棟王流。西洞院行時が祖。旧家。
    石井家:西洞院庶流。平松時量の子行豊が祖。新家。

菅原氏(6家)

    高辻家:菅原氏嫡流。菅原道真の子定義の子是綱が祖。旧家。家業は紀伝道。文章博士を世襲。
    五条家:高辻庶流。高辻為長の子高長が祖。旧家。家業は紀伝道。
    唐橋家:高辻同祖。菅原定義の子在良が祖。旧家。家業は紀伝道。
    東坊城家:五条庶流。五条長経の次男茂長が祖。旧家。家業は紀伝道。
    清岡家:五条庶流。五条為康の次男長時が祖。新家。家業は儒学。
    桑原家:五条庶流。五条為庸の四男長義が祖。新家。家業は儒学。

清原氏(3家)

    舟橋家(船橋家):清原氏嫡流。清原夏野の後裔秀賢より船橋を名乗る。旧家。家業は明経道。
    伏原家:船橋庶流。船橋秀賢の次男賢忠が祖。新家。家業は明経道。
    澤家:船橋庶流。伏原宣幸の次男忠量が祖。新家。

大中臣氏(1家)

    藤波家:大中臣氏嫡流。大中臣清麻呂の後裔景忠より藤波を名乗る。旧家。神宮祭主・神祇大副を世襲。

卜部氏(4家)

    吉田家:卜部氏嫡流。吉田兼熈から吉田を名乗る。旧家。家業は神祇道。吉田社職を世襲。
    萩原家:吉田庶流。吉田兼治の次男兼従が祖。新家。家業は神祇道。豊国社務を世襲。
    錦織家:吉田庶流。萩原員従の次男従久が祖。新家。
    藤井家:吉田同祖。藤井兼充が当初は猪熊を名乗る。新家。神祇官を世襲。平野社務。

安倍氏(2家)

    土御門家:安倍氏嫡流。阿倍倉梯麻呂(内麻呂)の後裔安倍晴明が祖。旧家。家業は天文・暦道・陰陽道。
    倉橋家:土御門庶流。土御門久脩の子泰吉が祖。新家。家業は陰陽道。

丹波氏(1家)

    錦小路家:丹波氏嫡流。戦国時代末に中絶後、江戸時代中期に小森頼季の子頼庸が再興。旧家。家業は医道。

大江氏(1家)

    北小路家:大江氏で大江匡重の子俊宣が北小路を名乗る。その後、江戸時代後期に俊常、及び分家の俊矩が堂上家に列した。新家。家業は文学。