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イノセント・ゲリラの祝祭
« 投稿日:: 3月 01, 2013, 07:12:56 pm »
書名:イノセント・ゲリラの祝祭
著者:海棠 尊
発行所:宝島社   
発行年月日:2008/12/11
ページ:373頁
定価:1500円+税

加納が事件発覚に一役買った、宗教団体「神々の楽園」の信者リンチ死事件が警
察の初動捜査ミスの問題を含め、話題を集めていた頃、高階に厚労省の会議に出
席することを頼まれた不定愁訴外来責任者の田口は、依頼主の白鳥直々の指名に
よって渋々会議に出席することになる。

東京・霞ヶ関に向かった田口は「病院リスクマネジメント委員会標準化検討委員
会」のモデル事業に関する会議、「医療関連死モデル事業」に出席する。だがそ
の会議は、医療事故を調査するための独立した組織創設の検討を目的とした「医
療事故調査委員会創設検討会」へと発展。今まで会議の主催者として舵取りをし
てきた白鳥はその舵を取られる形になり、田口もその会議の参加者として連ねら
れる。

この検討会自体も有耶無耶にしようとする官僚や、自分達の立場を死守せんとす
る教授達、そしてかつて医師や厚労省を揺るがす大きな問題を起こした彦根新吾
も介入し、「医療事故調査委員会創設検討会」に波乱を呼び起こす。医療現場で
起こっていることを話題。厚労省の役所体質、検討会なるガス抜きの雰囲気が上
手く描かれている。