投稿者 スレッド: 風の墓碑銘(エピタフ)  (参照数 347 回)

admin

  • Administrator
  • Hero Member
  • *****
  • 投稿: 58829
    • プロフィールを見る
風の墓碑銘(エピタフ)
« 投稿日:: 3月 01, 2013, 06:30:04 pm »
書名:風の墓碑銘(エピタフ)
著者:乃南 アサ
発行所:新潮社
発行年月日:2006/8/30
ページ:492頁
定価:1900円+ 税

隅田川沿いの東京の下町で、古い借家の解体工事が始まった。狭い路地で工事、
建物を壊して残骸を片付けたあと整地を行っていたパワーショベルの運転手は、
枯れ木のようなものを発見して作業を止める。枯れ木に見えたのは人の骨だった
。警察が調べてみると大人2人、その一人の上に胎児、嬰児の一体も一緒に掘り出
された。ところから始まる女刑事・音道貴子と滝沢保の名コンビが活躍する。音
道貴子は30代後半、恋人はいるが、結婚は未だ。滝沢保は妻に逃げられて3人の娘
、息子を育て上げた50歳近い風采の上がらない刑事。

この借家の持ち主の老人が認知症で老人ホームに、以前の借り主のことなどを調
べるが、手がかりがつかめない。そうこうする内に認知症の老人が滅多打ちに殴
られて殺されてしまう。その犯人捜査に2人も参加する。24年も前にあった事件の
影が、殺人の時効が15年から25年に変わった時期と思われる作品です。最近には
珍しい話のテンポが凄くスローでなんとなく懐かしくなるような筆の進め方、今
流ではないけれどなかなか好漢の持てる進め方かなと思う。乃南アサは初めてち
ょっと注目してみたい作家です。