投稿者 スレッド: ダーティー・ユー  (参照数 294 回)

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ダーティー・ユー
« 投稿日:: 3月 01, 2013, 06:00:11 pm »
書名:ダーティー・ユー
著者:高嶋 哲夫
発行所:日本放送協会
発行年月日:2000/2/25
ページ:299頁
定価:1500 円+ 税

 アメリカで生まれ育ったユーこと小野田雄一郎が主人公。父親の仕事の都合で
日本に家族とともに帰国して、中学二年に転入。妹は小学生へ転入。転校してき
た当初から日米の「教育」の違いに戸惑う。弁当にチョークの粉が混じっていた
り、伸一という同級生はいじめの対象になっている。でも誰も助けようとしない
。アメリカでもダーティー・ユーと揶揄された事もあるが、そんなとき誰かが協
力して解決してきた。

でも日本は誰も知らん顔、教師も校長も。小野田雄一郎は警察にいったり、弁護
士に相談に行ったり、いじめを人ごととしてほっておけなかった。そんなとき伸
一は深夜中学校の校舎の屋上から転落死した。警察、学校はアルバムを落としそ
うになって、誤って落ちた事故と断定する。いじめによる自殺と確信した雄一郎
は正義の闘いを開始する。日本では泣き寝入りが多いが、この雄一郎の方策はい
じめに対する一つのヒントになるのではないだろうか?「悪いことを悪いと言わ
ない」「うやむやにする」「誰も責任をとらない」という日本の欠点も見えるけ
れど、又逆に長所に見えるところもある。アメリカ式の白黒をはっきりすること
も時には必要だし、はっきりしてはいけないこともある。なかなか考えさせられ
る。

高嶋哲夫オフィシャルページ
http://homepage3.nifty.com/Takashima-Tetsuo/profile.html