投稿者 スレッド: 古都ひとり   (参照数 270 回)

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古都ひとり 
« 投稿日:: 1月 16, 2016, 02:51:40 pm »
書名:古都ひとり 
   岡部伊都子作品選・美と巡礼
著者:岡部 伊都子
発行所:藤原書店
発行年月日:2005/1/30
ページ:210頁
定価:2000円

各章のタイトルが「呪」「虚」「艶」「彩」「闇」「音」「執」「淡」「幻」「酔」「離」「荒」の漢字の一文字で現してそのタイトルに沿ったエッセー集です。着物、美術、自然、歴史などに細やかなユニークな視点で古都を紹介していく。戦争や差別に対して鋭く言及するのは、許嫁を太平洋戦争で失った。それも自分の無知で、「天皇陛下の為に死ぬのはいやだ。国民の為、君のためなら死ねる」と言っていた彼氏に「お国のために死ね」と送り出したトラウマがいつまでも岡部伊都子の原点になっている。いまでは殆ど出会うことがない名文で、語彙が豊富で無地の着物の色の表現など素晴らしい。