投稿者 スレッド: 華の碑文 世阿弥元清  (参照数 711 回)

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華の碑文 世阿弥元清
« 投稿日:: 3月 01, 2013, 04:22:57 pm »
書名:華の碑文 世阿弥元清
著者:杉本苑子
発行所:中央公論社
発行年月日:1997/4/7
定価:3600円+税

足利義満、義持、義教ら歴代の将軍に深く関わりつつ生きた観世家、観阿弥、世
阿弥が能を完成させていく過程と室町幕府の不安定な政治情勢、細川、赤松氏な
どの台頭、南朝と北朝の統一。そんな中を生きた世阿弥。弟元重の言葉を借りて
物語は進む。芸は人につくものその人が亡くなってしまうと芸も継承されない。
しかし世阿弥は100年、500年先にも残る能を目指した。元重の息子は才能のない
凡人。でも凡人でも努力を怠らないならば世阿弥の能は引き継げると。才能のな
いもは継続のみ才能のあるものはそれぞれ工夫する。そして永遠に能を続けてい
けるエッセンスを残した。観阿弥の母は楠木氏(楠木正成)の出。世阿弥にも楠
木の血が流れている。でもここに出て来る楠木の子孫は南朝方から北朝方の裏切
って、また南朝方にと右往左往するちょっと恰好の悪い登場の仕方。観阿弥、世
阿弥にとって迷惑な親戚という役どころになっている

  秘すれば花、秘さらざれば花にあらず「風姿花伝」世阿彌