書名:地震と噴火の日本史
著者:伊藤 和明
発行所:岩波書店
発行年月日:2002/8/20
ページ:212頁
定価:700円+税
「震災は忘れた頃にやってくる」寺田寅彦、にもあるように人間の寿命は長くて100年、自分の体験は覚えているが、話、文書などはやっぱり忘れてしまう。忘却が得意のようだ。日本列島は太古の昔から大地震、火山の大噴火に見舞われてきた。戦後からしばらく静かな時があったが、それは今までの火山、地震の歴史からすれば例外的なことだった。文書によって残っている火山、地震の歴史を「日本書紀」の時代から安政の江戸地震までを取り上げ、被害、規模などを推定している。
科学技術は進んでも地震、火山については判らないことが一杯、予知なんか無理と研究している人すら言っている。過去の地震、火山の事を研究しても未来の地震火山は判らないかもしれし、起こることを止めることは出来ない。でも起きたときにどうすればいいかを考えておくこと、そして行動は出来る。
現代のように高密度の都市で起こった時、果たしてどんなことが出来るか?難し事もあるが机上シミュレーションでもやっておく価値があるのでは?基本的にはまず、「自分の命は自分で守る」こと。そのためには過去に問うのも意味があるだろう。
本書より
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目次
はじめに
第一章 『日本書紀』が語る古代の地震
1 日本最古の地震記録 /2 天武朝の二つの大地震
第二章 歴史に見る火山の大噴火
1 富士山の噴火史 /2 宝永の大噴火 /3 浅間山・天明の大噴火
/4 島原大変肥後迷惑 /5 有珠山・文政の大噴火
/6 磐梯山・明治の大噴火
第三章 巨大地震と大津波
1 元禄を滅ぼした大地震 /2 安政の二つの巨大地震
/3 明治三陸地震津波
第四章 地形を変えた内陸直下地震
1 象潟は地震で消えた /2 善光寺地震 /3 飛越地震と立山鳶崩れ
/4 濃尾地震と山地災害 /5 陸羽地震と千屋断層
第五章 大都市直下の大地震
1 京都を襲った大地震 /2 安政の江戸地震
大地震こぼれ話 地震と鯰の不思議な関係
あとがき