東京新聞フォーラム
よみがえる古代の大和 神社建築の源流 -纒向から飛鳥の宮殿まで-
先週の土曜日「よみがえる古代の大和」を聞きに行ってきました。この催しは毎年8月には奈良橿原考古学研究所のその年の発掘調査の成果を踏まえて、このフォーラムで報告するような形で開催されています。今回は伊勢神宮、出雲大社の遷宮(昨年)、春日大社の式年造替(来年)と神社関連がある話でした。
今注目の纒向遺跡、その遺跡から発掘された宮殿跡から、建築学者の黒田氏が大胆な仮説、及び復元模型制作から見えてきた伊勢神宮、出雲大社。纒向遺跡から出てきた宮殿は神明造り(伊勢神宮)、偶数間の建物(柱は奇数)から出雲大社。神明造りは奇数間(柱は偶数)簡単にいうと、拝殿として外から拝むとすると、建物の中心位置に部屋があってご神体などを拝む形になっている。ところが出雲神社は建物の中心とはずれた位置になる。
梅原猛が出雲神社の建物は怨霊を封じ込めるために中心とは違った配置になるようにしてあると推定していた。ところが、黒田氏の仮説によると、出雲大社は外から拝むものではなく、内部で祭事を行うためのものしたがって偶数間の配置になると。
纒向遺跡でも外の方にある建物は奇数間、そとから拝む形になっている。ところが内側の建物は偶数間、伊勢神宮と出雲大社の様式いずれもが発掘された。伊勢神宮、出雲神宮の設立時期を第十代崇神天皇、第十一代垂仁天皇の頃と比定されていた。纒向遺跡はそれ以前と比定。古代ヤマト政権の発祥の地と比定されている。
その他極楽寺ヒビキ遺跡、秋津遺跡、飛鳥浄御原宮跡の発掘の話などどれも興味あるテーマでした。そして考古学者、建築家という組み合わせのパネルディスカッションは専門外の人と人の話でなかなか面白かった。質問も飛んでいるから答えも飛んでいる。また判らないときはハッキリと判らないと。これが歴史学者になると何となく自分の経験を元に話を作ってしまうところがあるのでは?
当日会場はひとつの席も余っていないくらい満員御礼、今までは少しは空きがあったのですが。
9月20日東京新聞朝刊にこのときの模様は掲載される予定。
葛城円の居館址か?極楽寺ヒビキ遺跡
http://inoues.net/ruins/katsuragisi_house.html秋津遺跡: 邪馬台国出現
http://yamatai.sblo.jp/category/978178-1.html飛鳥浄御原宮跡・説明会
http://inoues.net/ruins2/asukakiyomigahara.html纒向遺跡ってどんな遺跡?|桜井市纒向学研究センター
http://www.city.sakurai.nara.jp/section/maki_c/info/iseki.htmlよみがえる古代の大和 神社建築の源流 -纒向から飛鳥の宮殿まで-
昨年は伊勢神宮と出雲大社で遷宮が行われ、来年は春日大社の式年造替が控えています。昨今注目される神社の神事ですが、今回は神社建築に焦点をあて、古墳・飛鳥時代の居館や宮殿の特徴が後の神社建築にどのようにつながっていくかを探ります。
[日時]
平成26年8月30日(土) 13:00~16:00 (開場12:30)
[会場]
東京都江戸東京博物館1階ホール
東京都墨田区横網1-4-1
JR総武線「両国」駅西口徒歩3分
都営大江戸線「両国(江戸東京博物館前)」駅A4出口徒歩1分
[定員] 400人
第一部 基調講演(40分) 「纒向遺跡の王宮とその後の神社・居館・宮殿」 黒田 龍二
第二部 講演(各30分) および パネル・ディスカッション(60分)
「古墳時代の大王宮と豪族居館」 木下 亘
「大王宮から律令制都城へ-変換点としての飛鳥宮-」 林部 均
パネル・ディスカッション
【コーディネーター】木下 亘
【パネリスト】黒田 龍二、林部 均、渡辺真理