投稿者 スレッド: 九転十起 事業の鬼浅野総一郎  (参照数 290 回)

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九転十起 事業の鬼浅野総一郎
« 投稿日:: 7月 10, 2014, 08:14:02 pm »
書名:九転十起 事業の鬼浅野総一郎
著者:出町 譲
発行所:幻冬舎
発行年月日:2013/11/25
ページ:398頁
定価:1500円+税

先日、安田善次郎の本を読んだとき、実業家としての浅野総一郎のことが出ていたので興味があった。浅野総一郎は横浜とも関係が深い人、鶴見の総持寺も浅野総一郎が加賀の永平寺が大火で焼けたとき、鶴見の土地を寄進したことで、総持寺が鶴見に建てられることになったとか。多摩川と鶴見川の河口付近の遠浅の海を埋め立てて工業団地(京浜工業地帯)を作ったのも浅野宗一郎。七転び八起きというのは達磨のことを言う。しかし浅野総一郎ほど成功と失敗の多かった人はいない。

でも九回転んでも十回目には起き上がるという人生を亡くなるまで粘り強く続けてきた人生。いろいろな事業を興すが、自分の栄達、財産を殖やす、贅沢をすることはなく質素に生きながら、常に国家、国民が飯を食えるネタを探し事業にしていく。私財を擲ってでも事業に投資する。渋沢栄一、安田善次郎という理解者を得ながら自分の夢を追い続けた人。壮絶な生涯を綴っている。JR鶴見線の駅に「浅野」「安善」「武蔵白石」「大川」とあるがこれも浅野事業に関係する人達の名前。「浅野」浅野総一郎「安善」安田善次郎」「武蔵白石」娘婿白石元治郎(日本鋼管)「大川」大川平三郎(王子製紙)。

三菱、三井、住友、安田などの財閥に次ぐ大きな財閥になったがその後後継者には恵まれず、一時代を100年後見ながら駆け抜けていった巨大な実業家、事業以外には興味も持たず、事業一辺倒で生き抜いた人。浅野総一郎が亡くなると急速にその勢いは衰えてしまった。どの逸話も面白い。

今も東日本大震災、原発事故、デフレ、財政赤字、少子高齢化など日本を取り巻く不安材料は尽きない。しかし手をこまねいていてはいけない。突破口は必ず見つかる。浅野総一郎のスピリットをもう一度思い出したい。

本書より
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「贅沢をして食えるだけ出世しさえすれば、それで人として生まれた目的を達した」と思うのは凡人だ。人間の目的は「死んだのちまで社会を益すること」を志すことにある。

鳩山一郎に次男を政治家にしたらどうかと言われたとき
とんでもない話だ。君たちのように税金を勝手に使って返すことも知らない癖が息子についたら大変だ。金はもったいないものだということを忘れてしまう。政治家は国家の金を勝手に使っている。あれは返さなくてもいいからね。利息も払っていない。事業家がそうなっては困る

政府は国民から搾り取った税金を使うことばかり協議し、儲けることを考えていない。