書名:康煕帝の手紙
著者:岡田 英弘
発行所:藤原書店
発行年月日:2013/1/30
ページ:461頁
定価:3800円+税
大清帝国は1636年、初代ホンタイジが即位したときに始まり1912年第十一代溥儀の退位で終わった。276年間の政権だった。ホンタイジは満州人であり、漢人ではなかった。公式の言語として満、蒙、漢の3種類(併記)が使われた。大清帝国は高麗・雲南・チベット・モンゴルの種族の混合連合だった。広大な領域を有した清朝の領土の四分の三が、同様に漢字漢文を使用する土地ではなかったからである。大清帝国の基礎を築いた康煕帝(1654-1722)。
三度のモンゴル遠征のたびに、北京の皇太子に送った愛情溢れる満洲語の自筆の手紙を訳して、それを紹介しながら当時の東アジアの俯瞰する書です。事細かな事までマメに手紙を書いている。今まで知らなかったことが興味を持って読みました。中国という国は次々と外部から侵入してきた部族が支配するという形の国、とても中国4000年の歴史なんて言えないということがよく分かる。革命で天帝(支配者)が変わることが出来る国、今は中国共産党が支配している。歴史は記録として残っていないと歴史とは言えない。考古学的な遺物が出てくるだけでは歴史は語らない。語るのは誰か、人間がその人の知で物語るものというのが、岡田史観という。