投稿者 スレッド: 神奈川県都筑郡中川村々是調査報告  (参照数 266 回)

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神奈川県都筑郡中川村々是調査報告
« 投稿日:: 1月 16, 2014, 01:50:42 pm »
書名:神奈川県都筑郡中川村々是調査報告
   横浜市歴史博物館資料集第二集
著者:横浜市歴史博物館
発行所:横浜市歴史博物館
発行年月日:1996/3/31
ページ:171頁
定価:非売品

村是報告書の村是というのは国是と同じように、村のとるべき道というようなもの。明治36年当時の中川村(大棚、茅ヶ崎、山田、勝田、牛久保)の地勢、田畑山林の面積、人情、平均気温、人口(男女、年齢別)、作物の種類、出来高、各家で持っている財産(家具、鍋、釜、包丁、時計など)、村の生産高、支出高など生活一般、産業に関わる事細かなことを調査している。これはこれからの中川村をどのようにしていけば良いか。現状把握の上でとるべき道を調査したものです。これほど詳細に調べた資料は他に認められない位微に入り細に渡っています。歴史資料としては第一級の史料だと思う。

この地域の田畑は、雨が降ればどろどろに湿気けた田圃、なかなか乾かない。一方畑は雨が止むとすぐに乾いてしまう。作物を作るには不適な土地、自作農と小作農の比率は50%、大地主も少なく、極端な大金持ちもいない。総じて貧しい村というのが見えてくる。それに対してこの書は、灌漑の必要制、村民の団結、共同購入、共同出荷などを提案している。勿論農業の振興策が述べられている。なかなか興味ある本です。