書名:企業病棟
著者:江川 晴
発行所:読売新聞社
発行年月日:1993/4/12
ページ:270頁
定価:1359円+税
元大学付属病院看護婦・横見翔子、24歳。一般病院で医師とトラブルのあった翔子がコスモス産業本社診療所に転進した。企業内にある診療所の仕事。社員三千人の健康管理が、診療業務である。うおの目、頭痛、不眠、捻挫など、さまざまな症状の人が来るかと思えば、上司の悪口、仕事の不満を訴えて、元気になって帰っていく人がいたり、大賑わい。
企業の診療所の看護婦の目を通して現代のサラリーマンの苦悩を描いている。この作品は20年以上前の作品ですが、今の時代にも十分通用する話が一杯、健康診断を受けない企業人、強制できない看護婦、重大な症状、死が発生するたびに苦悩する様子が真の迫力をもって伝わってくる。