投稿者 スレッド: プロメテウスの罠5 福島原発事故、渾身の調査報道  (参照数 296 回)

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プロメテウスの罠5 福島原発事故、渾身の調査報道
« 投稿日:: 12月 06, 2013, 10:09:23 pm »
書名:プロメテウスの罠5 福島原発事故、渾身の調査報道
著者:朝日新聞特別報道部
発行所:学研パブリッシング
発行年月日:2013/9/10
ページ:265頁
定価:1238円+税

福島第一原発の事故は全く収束が見えていない。事故から2年8ヶ月過ぎたというのに15万人が避難を続け、帰宅できるかどうかも判然としない。賠償は不誠実そのものだし、除染は全域で目標値(1msV)を達成する見通しは皆無に近い。
「新聞やテレビから福島の話がどんどんなくなっていく」「忘れられるの一番怖い」被害にあった人たちのいつわざる声。このシリーズは朝日新聞に連載された記事を編集されたもので第五弾。また記事は続いているので今後も刊行されるでしょう。

今回は海洋汚染の話、避難でちりぢりなった生徒との連絡をどうしたか?、動物、ペットの話、事故直後「原発を維持せよ」と企画した通産エリート役人、補償問題、家が買えない。通常の査定価格では元の家はほとんど価値がない。新たに買える価格にはほど遠い。ダム、道路と一緒の再取得価格。同じ程度の家に新しいところで買うとすればいくらかで決まる価格。

これが認められていない。福島に住めない。しかし戻る、戻すといっているのはその再取得価格で賠償すれば巨額の資金10兆円以上が必要。そのため無駄な除染、居住制限地域の範囲の縮小などを行っている。当たり前のことを当たり前に書いてあるが、それが新鮮に見えてくる。ウソの報道ばかりしていた朝日新聞にとっては異質な存在、政権の意向でまた方針が変わるかもしれないが、今はまっとうなことをいっているように思う。