書名:碧巌録の読み方
著者:西村 惠信
発行所:大法輪閣
発行年月日:2010/7/30
ページ:266頁
定価:2000円+税
『碧巌録』の読み方は2つあると言われている。一つは学問的な読み方で歴史的にも言語学的にも正確に読む読み方。もうひとつは、実践的な読み方で実際に道場で老師から「趙州狗子」などの公案を与えられて禅堂で拈提するための読み方。公案を与えられて禅堂で寝ても覚めてもその公案を胸に暖めて工夫すること。そして老師のところへ行き伝統的な公案の見解とあっているかどうか判断していただく。
禅とは何か?真実の自己とは何か?「宗門第一の書」と尊ばれ、また恐れられた禅の公案集『碧巌録』、この難解なテキスト。この『碧巌録』の公案の代表的なものを取り上げ現代語訳と禅師たちの経歴、生き様などを紹介しながら、「己事究明」に沿って解説してある。禅というと何となく判ったような判らない。二元的な対立の概念ではなく、生死、善悪、自己と他者などを二元的な対立の概念ではなく、どちらも含んだ考え方を教えてくれる。
元々禅宗以外の各宗の「教宗」教典によるテキストによって伝えられる。禅宗は「仏心宗」と呼ばれるように教典はない。先達の禅師、祖師、釈迦から以心伝心、言葉にすることも、文字にすることも出来ないものを伝えてきている。そして祖師、釈迦をも超えないといけないとされる。教典に縛られることなく自由であるが故に命も落とす厳しい教え。その一端を優しく書いた解説書です。
禅語(碧巌録・虚堂録・無門関等) : 臨済・黄檗 禅の公式サイト
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