書名:あんじゅう 三島屋変調百物語事続
著者:宮部 みゆき
発行所:中央公論新社
発行年月日:2010/7/25
ページ:563頁
定価:1800円+税
『おそろし 三島屋変調百物語事始』の続編です。袋物屋の三島屋に引き取られた主人公おちか、叔父伊兵衛は過去に不幸にあった経験、奇妙な体験にあった人たちを三島屋の黒白の間に呼んで、おちか一人に不思議な事件を語らせるという設定。これは前作と変わらない。一度にひとりずつ、百物語の聞き集め。「逃げ水」「藪から千本」「暗獣」「吼える仏」の4つのお話。
深考塾の若先生・青野利一郎から「紫陽花屋敷」の話を聞く。それは、暗獣“くろすけ”にまつわる切ない物語であった。人を恋いながら人のそばでは生きられない“くろすけ”とは?長年人が住まなかった侍の屋敷、そこはお化け屋敷と呼ばれていた。若先生の師が隠居したての頃その屋敷に住んだ。その時の不思議なお話。
馬に逃げられて山の中に追いかけていって「お旱りさん」を閉じ込められていた祠から助けた平太のお話などなどなかなか面白い話と人情と人の心を動かす作品です。