投稿者 スレッド: 宝珠の網  (参照数 2310 回)

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宝珠の網
« 投稿日:: 11月 13, 2012, 11:18:11 pm »
草いろいろ おのおの花の 手柄かな 松尾芭蕉

 私と小鳥と鈴と
私が両手をひろげても、
お空はちっとも飛べないが、
飛べる小鳥は私のように、
地面を速くは走れない。

私が体をゆすっても、
きれいな音は出ないけれど、
あの鳴る鈴は私のように
たくさんな唄は知らないよ。

鈴と、小鳥と、それから私、
みなちがって、みんないい。
               (金子みすゞ)

華厳経というお経があります。このお経は仏教では一番重要なお経と言われています。このお経は花で飾られた広大な仏教の根本的な教えが書かれています。宝珠の網(存在しているものはこの網のように結び目に珠玉があってそれぞれ糸に繋がっている)そんな状態が全宇宙という。珠玉を一人一人に変えてみると、そのひとつ、一人でもそれが無かったら、この網は完成しない。その珠玉がそれぞれ互いに関連し合って存在している。それを「一即一切・一切即一」と言っている。
一即一切・一切即一」 → 「重々無尽(じゅうじゅうむじん)」
<一つのものはそのまま一切のものと関連しており、一切のものがそのまま一つ一つの命と結びついている。>
<すべてが関連しあって存在し、その繋がりは尽きることはない。>
最近「動植物の多様性」「環境問題」「温暖化」などが騒がれているが、華厳経、松尾芭蕉、金子みすゞ等先人はもっともっと深い深いところを悟っている。今、大騒ぎするものでもないような気もするが、流行だから大騒ぎをする。じっくりと「古きを訪ねて」みれば判ること将来にむやみやたらに不安を抱く必要もない。「山より大きいイノシシはいない」「この世で起きたことはこの世で解決出来る」そんな当たり前の目で自然に見られるようになりたいもの。情報化社会は時に過剰、過敏反応をする人達を作りだす電子工学でいうところの発振現象。適度の負のフィードバックをかけないといけない。正のフィードバックは発振する。負のフィードバックをかけるためにも先人達の大いなる遺産、詩、句、言葉などを大切に素直に読める目を養うことが、この情報氾濫時代を生きる知恵かなとも思う。