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三流の維新一流の江戸
« 投稿日:: 7月 31, 2018, 05:24:40 pm »
書名:三流の維新一流の江戸
   「官賊」薩長も知らなかった驚きの「江戸システム」
著者:原田 伊織
発行所:ダイヤモンド社
発行年月日:2016/12/8
ページ:281頁
定価:1500円+税

著者は『明治維新という過ち』『官賊と幕臣たち』『大西郷という虚像』とい
う作品で、今までの明治維新の見方を違った方向から指摘してきた。薩長万歳、
明治維新万歳と西洋化、明治政府のやってきたことを絶賛してきた従来の視点
から、ちょっと立ち止まって見直してみようという試みです。江戸というシス
テムは260年平和で戦争も起こしていない。明治維新後は戦争の時代が現在ま
でも続いている。そんな視点で捕らえればこれから世界が向かっていく方向は
西洋化、アングロサクソンの世界ではないことが明白。そしてその方向を示し
てくれているのが身近にあるではないか?一流の江戸のシステムがと。一元主
義的な西欧型資本主義が破綻しつつあるいま、世界を江戸の多様性に気付かせ
る必要がある。

明治維新政府は江戸を全否定して、土深く埋めてしまった。それに完全にだま
されて誰もが江戸ほど酷い遅れて社会と思い込んでいる、人類史に例を見ない
250年にも及ぶ長期平和を維持した江戸、平和主義の中に尊皇攘夷という名目
のテロリストがあっという間に幕府を崩壊させた。そして江戸の全否定。その
波に乗った人ばかり、でも江戸のDNAはちゃっと引き継ぐべきものがある。今
からじっくり見ていけば、明治は三流。超一流の社会から三流の社会にしたの
が明治。

廃仏毀釈というタリバンにも劣る暴挙。よくタリバンを非難するする人々がい
るが、薩長のやった廃仏毀釈が暴挙ということを言う人は少ない。また吉田松
陰を褒める人はいるが、実はテロリストの典型的なのが吉田松陰。少し事実を
調べて見るとよくわかる。京都の市民にとっては幕末の志士といってもごろつ
きの人殺し集団、テロリスト。今、テロリストというと全部の人が否定するが、
幕末はそんなテロリストが横行していた。そして勝てば官軍。そんな人殺し集
団が明治政府の要職についていた。という事実はやっぱり知っておかないとい
けない。
そんなことを気付かせてくれる本です。メジャーではないけれど、見方を変え
ることの大切さを押してくれる本です。

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【目次より】
☆はじめに:埋められた「江戸」を掘り起こす
☆序章:世界のクロサワを生んだ『羅生門』の雨
☆第一章:「明治維新」という過ち
☆第二章:明治復古政権による「江戸」の全否定
☆第三章:誤解に満ちた徳川幕藩体制
☆第四章:世界が驚いた江戸の社会システム
☆終章:江戸の社会と価値観から学ぶもの


「三流の維新 一流の江戸」原田伊織著 ”歴史は勝利した側が作るもの”
https://blog.goo.ne.jp/egaonoresipi/e/3ae176d80af480263b05d03ea98151a3
幕末の志士たちは「テロリスト」だった
https://toyokeizai.net/articles/-/230326