書名:カナリア恋唄
お狂言師歌吉うきよ暦
著者:杉本 章子
発行所:講談社
発行年月日:2016/2/22
ページ:250頁
定価:1,700 円+税
お狂言師歌吉うきよ暦シリーズ第4弾で遺作。杉本章子を最近読み始めてちょ
っと注目すべき作家だなと思っていました。でもこのシリーズ未完のまま。乳
がんで亡くなられた61歳。
江戸の古地図を眺めるのが好きという著者、頬に傷痕のあるお吉(歌吉)は押
しも押されぬお狂言師が主人公のシリーズ。お小人目付けの日向新吾と互いに
想い合う仲だが、日向には縁談が持ち上がる。大奥をめぐる謀議に立ち向かう
お吉。ちょっとミステリーもあり、江戸の風景もあり、人情話もありでなかな
か面白い本です。未完に終わった第五弾へのヒントも盛り込んであって、読者
はそれぞれ空想できる楽しさもあります。
【書評】文芸評論家、縄田一男が読む『カナリア恋唄 お狂言師歌吉うきよ暦
』杉本章子著
http://www.sankei.com/life/news/160508/lif1605080030-n1.html