書名:狂い咲き正宗
刀剣商ちょうじ屋光三郎
著者:山本 兼一
発行所:講談社
発行年月日:2009/1/26
ページ:277頁
定価:1600円+税
将軍家の刀剣類を管理する御腰物奉行の長男(本来なら跡取り)、父親に「正宗
は存在しなかった」と言い大議論、大げんかの末勘当されて、刀剣商ちょうじ屋
に婿入りし、刀剣商になった光三郎が主人公。
「刀には作り手の特徴が表れるが、正宗といわれる刀は一振りごとに表情が違う
。」世の中に正宗と言われる刀は一杯、本当に一杯あるが、それは正宗が持て囃
された結果、どれもこれも正宗の名がついたのではないか?
遊女の身請けや旗本の跡継ぎ問題、収集家の裏切りや土産物屋の詐欺などの話に
鑑識眼が確かな光三郎が拘わっていくというストーリー「正宗」だけではなく「
国広」や「虎徹」といった天下の名刀が絡まる人間ドラマ仕立てになっている。
刀剣の世界を垣間見せてくれる。