投稿者 スレッド: 百枚の定家  (参照数 287 回)

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百枚の定家
« 投稿日:: 3月 01, 2013, 07:04:56 pm »
書名:百枚の定家
著者:梓澤 要
発行所:新人物往来社
発行年月日:1998/11/20
ページ:662頁
定価:2800円+税

百人一首を編纂した藤原定家が自ら、晩年一首ずつしたためとされる「小倉色紙
」。この「小倉色紙」の真贋を巡って起こる殺人事件。鎌倉時代の初め、定家の
孫の代で御子左家(二条家)から京極家・冷泉家が分かれ三家となったが、京極
家、二条家は滅んでしまって今は冷泉家が残っている。定家が晩年に百人一首を
編纂して「小倉色紙」を残したとされているが、贋作が多くて一枚も国宝、重文
になっているものがない。ニューヨークのオークションで「小倉色紙」の1枚(淡
路島かよふちどりのなくこえに)が高額で落札された。それも日本人の海野とい
う美術商に。「小倉色紙」の展覧会を企画してた武蔵野美術館の学芸員の秋岡は
その出所を調べ出す。明治の混乱期に日本から出されたのか?戦後のGHQの時代か
?すると美術商の海野から電話が「淡路島かよふちどりのなくこえに」を美術館
で購入しないかと。「小倉色紙」に詳しい大学教授、知人、関係者を回って「小
倉色紙」について調べている内に、「小倉色紙」が11枚、岐阜の郡上八幡から出
た。旧家の蔵の中にあったものだという。百枚の小倉色紙の謎をおった古代ミス
テリー。分析調査のアプローチがなかなか良い。面白い作品です。