投稿者 スレッド: 悪霊 松永弾正久秀  (参照数 468 回)

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悪霊 松永弾正久秀
« 投稿日:: 3月 01, 2013, 06:13:51 pm »
書名:悪霊 松永弾正久秀
著者:早乙女 貢
発行所:新潮社
発行年月日:1982/12/15
ページ:665頁
定価:720 円+ 税

 松永弾正久秀は前半生がよく分からない人で、気がついていたら三好家の長慶
(ながよし)についていた。室町末期の戦国時代の武将で足利将軍義輝を殺した
。東大寺大仏殿を焼き払った。三好家を乗っ取ったと悪名高い人。また信長に破
れたとき「平蜘蛛の釜」(信長が非常に欲しがっていた茶道の釜)をたたき割っ
たとも、釜と共に爆死してしまったとも言われている。ただ、何故か「平蜘蛛の
釜」なるものは現存しているとか?波乱に富んだ一生を面白く描いている。悪も
ここまで来ると何でもありで、悪こそ強いということも言えるかも知れない。

時代が少し違っていたら、天下を取っていたかもしれない。興味ある人物だと思
う。豊臣秀吉よりは面白い感じがした。氏素性がはっきりしていない、どこの馬
の骨とも知らないものが、三好家という名門の長慶を裏で操りながら長年我慢に
我慢の末に三好家に取って代わる。そこには信長、謙信、信玄が。近畿一円を押
さえていた松永弾正久秀にもう少し運があったら、歴史は変わっていたかも。信
長の叡山延暦寺の焼き討ちが有名ですが、東大寺大仏殿を焼いたのは松永弾正が
先。信長もこれにならったのか?当時の宗教は軍隊と同じでどの武将も手を焼い
ていた。ところで侍は「ちょんまげ」を何故していたか?「月代」を大きく剃っ
ていたか?実は兜をかぶるときに前髪が邪魔になったからだっとか。戦国時代の前
期の頃守護(細川、名和、畠山)が別れて争っていた時代も人間味があって面白
い。