書名:夢曳き船
著者:山本 一力
発行所:徳間書店
発行年月日:2010/1/31
ページ:373頁
定価:1700 円+ 税
2002年「あかね空」で直木賞受賞。亨保年間、伊勢杉という材木商が深川の料亭
から請け負った吉野杉1000本(一万両)の内700本を下田沖で時化のため流失して
しまう。その前の冬には江戸の火事で材木置き場に置いていた材木(2万3千両)
消失してしまっている。進退窮まった店主は大川土手に。まさに大川に飛び込も
うとしていたところを職人がしらが助けたところから物語が始まる。時代物。市
井の職人、商人、渡世人、船乗りなどの人情物語。金の工面をしてもう一度失っ
た700本を買い付けて、熱田の港から品川まで筏を引いてくるまでの物語。江戸の
人々が生き生きと描かれている。次々引き込まれながら読んでしまった。