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職業としての政治
« 投稿日:: 3月 01, 2013, 05:27:09 pm »
書名:職業としての政治
著者:マックス・ヴェーバー
訳者:脇 圭平
発行所:岩波書店
発行年月日:2004/7/5
ページ:121頁
定価:460 円+ 税

1919年に出版されたマックス・ヴェーバーの本です。マックス・ヴェーバーは言
う「あらゆる政治行動の原動力は権力(暴力)である。政治は政治であって倫理
ではない。そうである以上、この事実は政治の実践者に対して特別な倫理的要求
を突きつけずにはいない。では政治に身を投ずる者のそうすべき死角と覚悟は何
か」

政治家にとって重要な資質が三つあるという。それは(1)情熱と(2)責任感と(3)判
断力である。。この判断力とは、集中力と冷静さをもって現実をそのまま受け入
れることのできる能力、事物と人間から「距離」をおくことのできる能力のこと
である。たった100ページほどの本ですが、職業としての政治(これって今では殆
どの政治家に言えるかな)。生活には全く困らない金銭的にも精神的にも余裕が
あって理想に燃えて政治家になっている人。ちなみに昔の王様は職業としての政
治ではなかった。そんな時代が長く続いている。

世のため人のために政治を志すが、生活には困るのである程度の生活費は必要と
いう人。政治によって生活の糧を得ている人。自分の興味、情熱で政治を行って
いる人の2種類があるという。ただどちらが良いというものではないが。生活に余
裕がある政治家は理想論に走る。

この本を読んでいると90年前と今も対して変わらないことが、本質的なことは政
治という泥くさい世界を清くしようと理想に燃えて、政治家の倫理、倫理を求め
すぎると、一番大切な判断力、責任感、情熱がなくなって、とんでもない政治に
なる。政治とは戦い、権力だということをもう少し思い起こすべき。政府、政治
家が大衆、国民に迎合ばかりしていてはとんでもない国になってしまう。大衆、
国民に嫌われても判断し、実行するそんな政治家も出てくれないとおかしくなっ
てしまいますね。