書名:炎の経営者
著者:高杉良
発行所:文春文庫
発行年月日:2009/5/10
定価:714 円+税
1986年12月単行本で発売された高杉良の小説です。戦時中の大阪で小さな町工
場を起こした八谷泰造。この小説の始まりは大阪駅から下り急行「筑紫」に乗っ
て、列車の中で財界の重鎮永野重雄(富士製鉄社長)を探し、つぶれかかった日
本触媒化学工業(株)の増資を口説くところから始まる。最初からスリリングなス
タート、奇想天外にみえながらしたたかに計算し尽くされた行動。大手化学会社
がどんどん外国からの技術導入で大型プラントを建設するなか、独自技術に走っ
ていく、旧満鉄の技術者をスカウトしたり、京都大学卒の大量採用。有能な人材
を集める。大不況で倒産しそうな経験をしながら、次々と石油化学会社を大きく
成長させていく、日本ではじめた大型プラントをはじめて外国へ技術輸出したり
、した世界的な日本触媒化学工業(株)を築き上げた八谷泰造の壮絶な生涯を描い
ている。伝説の経営者を経済小説家高杉良が語る。