書名:傾く滝 杉本苑子全集3
著者:杉本苑子
発行所:中央公論社
発行年月日:1997/6/7
定価:3600円+税
八代目市川團十郎は自害という形で生涯を閉じた。人気絶頂の働き盛り、なぜ
自害?父海老蔵とのトラブル、市川家の多額の借金、父の妾の子猿蔵が九代目団
十郎の名跡を狙う陰謀など。当時の役者の生活、江戸の下町の暮らしなどが遺憾
なく出て来る。人気役者でも借金だらけ、また芝居小屋の火災が多い。この時代
バラバラの町に芝居小屋があったのが猿若町の強制的に移住させられた。吉原が
出来た(これも強制移住)どちらも江戸の寂れた外れの土地。刑場とか、墓場な
どに使われて居たとか。浅草観音の小さなお堂があったところ。役者の生涯を描
いた作品。