投稿者 スレッド: メディアの支配者  (参照数 357 回)

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メディアの支配者
« 投稿日:: 3月 01, 2013, 03:31:41 pm »
書名:メディアの支配者(上)
著者:中川一徳
発行所:講談社
発行日:2005/9/8
定価:1800円+税

書名:メディアの支配者(下)
著者:中川一徳
発行所:講談社
発行日:2005/9/8
定価:1800円+税

フジサンケイグループ鹿内一族(鹿内信隆、春雄、宏明)のメディア支配の歴史
をまとめたドキュメントです。
ニッポン放送が持ち株会社となって「フジテレビ」「産経新聞」「ポーニーキャ
ニオン」など会社を統合したグループ経営その主体となる議長体制で運営してい
たフジサンケイグループの特異な経営方法。そのうしろに箱根の彫刻の森美術館
が重要な役割を果たしている。複雑怪奇な物語です。鹿内信隆というカリスマが
ニッポン放送、文化放送など設立時関わった謎。ニッポン放送を親会社とした非
上場企業として経営している。西武の堤一族と似たようなところがあります。世
の中の公器を標榜する新聞、テレビ、ラジオ(メディア)の実態はどろどろとし
た権力争いが渦巻いている。
 ライブドアのニッポン放送(株)の買収劇から始まって、20年前の鹿内宏明の取
締役解任クーデター、ここで主役だった日枝久(フジテレビ社長)、ホリエモン
のライブドアでは防衛側に、歴史は繰り返す。鹿内宏明の取締役解任クーデター
に登場する人物は多士済々、司馬遼太郎など作家と言うよりはかなり悪辣な策謀
家、司馬遼太郎ファンが読むと眉を顰めることも。鹿内信隆は右派を宣言するこ
とで、財界、政界とのパイプ、ムーアの彫刻(彫刻の森)など全て商売ネタにし
てどん欲にメディア支配を遂げていった人物(裏ではいろいろあくどいことにも
手を染めている)として描かれている。本社(お台場)の土地東京都から払い下
げについても、当時の鈴木都知事、丹下健三、鹿島建設など絡んだ疑惑。産経新
聞の赤字補填のためのグループ会社から持ち寄り。など法令違反になりそうなこ
とも。業界では常識なのでしょうが、こんな話を知ってみるとメディア業界のう
さんくささを感じてしまう。世の中の公器とは絶対思ってはいけない。
 新聞の発行部数というのは販売店に渡した数量。発証部数(これはお金を払っ
てもらえた部数)この数字は何処の新聞社でも決して公表しない部数(実質)、
一時、産経新聞では80%以下になったことも。新聞の販売員の歩合(1990当時
)6ヶ月契約で6000円、1年契約で8000円程度だったとか。発行部数は広告料にも
影響するのでなかなか下げない。実際買って貰えなかった新聞は即、古紙回収へ
。新聞という商売の近代化出来ていないところが、販売と販売店、販売員、本社
(記事)の仕組み。これにメスを入れようとしていた宏明(信隆の養子・・・二
女の婿)はクーデータで解任されてしまう。
 読んでいてあきない本ですが、知らなくても良いことかも。