書名:堂島物語
著者:富樫倫太郎
発行所:毎日新聞社
発行日:2007/12/20
定価:2000円+税
原稿用紙1000枚を超える長篇です。非常に読みやすく、一気に読了しました。
経済小説でもあり、主人公吉佐の恋物語、サクセスストーリーです。江戸時代米
相場制が崩壊しそうな亨保時代、堂島の米問屋を舞台に、近隣の農家からやって
きた16歳の少年吉佐が山城屋という米問屋に丁稚奉公に出てからのストーリー。
米相場の仕組み、成り立ち、先物取引(架空取引)などの基本的なことが分かる
内容です。ストーリー展開に飽きることを感じさせない。テンポの良さとハプニ
ング性もあって楽しく一気に読めます。この物語は丁稚から独立、結婚してこれ
からどうなるか?と期待を持たせながら終わっています。最近は富樫倫太郎の本
の良く出会いますが、なかなか面白い作家では無いかと思います。現在の語り部
としての才能があるような気がします。シナリオ、ストーリー展開など実力のあ
る作家ではないでしょうか。でもつづきの本(いのちの米 堂島物語)も出ている
ようです。これも読んで見たい。