投稿者 スレッド: 心中しぐれ吉原  (参照数 497 回)

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心中しぐれ吉原
« 投稿日:: 9月 20, 2015, 07:29:15 pm »
書名:心中しぐれ吉原
著者:山本 謙一
発行所:角川春樹事務所
発行年月日:2014/10/18
ページ:245頁
定価:1500円+税

蔵前の札差の大口屋の文七、恋女房のおみつが、不忍池のほとりの出逢い茶屋で当代一の若手人気訳者と心中した。ところから物語は始まる。状況は心中でも文七はおみつが心中するわけない。殺されたのだと堅く信じる。ちょうど時代は寛政の御世、老中松平定信の寛政の改革で旗本・御家人救済のために徳政令(棄捐令)が出ると噂が飛び交う頃、役所の関係者、吉原の花魁などを通じて情報衆に務め、大損を蒙って倒産する前に、札差を廃業する。

大口屋ののれんと店は番頭達に譲って隠退する。そして向島に田舎風の豪邸を建て、吉原の瀬川花魁3千両を使って身請けし、幸せな日々をおくるが、その目的は心中事件の真相を探るため。その二人に突然破滅が訪れる。作者は昨年亡くなった。最後の恋愛時代推理小説です。読み応えのある作品です。