投稿者 スレッド: 一九四五年夏最後の日ソ戦  (参照数 341 回)

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一九四五年夏最後の日ソ戦
« 投稿日:: 5月 15, 2015, 09:15:15 am »
書名:一九四五年夏最後の日ソ戦
著者:中山 隆志
発行所:中央公論
発行年月日:2001/7/25
ページ:206頁
定価:686円+税

太平洋戦争といってもその戦闘地域、被害地域などいろいろで一概に理解することは難しい。原爆、大空襲で無差別に民間人を大量虐殺したアメリカ、日ソ不可侵条約違反のソ連、ポツダム宣言受諾後も侵略を続けていたソ連。何の準備もしていなかった日本軍が突然のソ連侵攻に立ち向かっていった。その詳細は共産党政権になったソ連との関係、当時の日本軍の資料もソ連に持ち去れていてよく分かっていない。しかしソ連崩壊後、少しずつ日ソ双方の資料が世に出てきた。現在の北方領土問題の根底にあるソ連の参戦を分析している。

北海道に侵攻できなかったことで、シベリヤ抑留に方針を変えたソ連、当時の戦勝国が戦後にとった日本弱体化政策、そして現在になったも未だに日本への恐怖が、中国、韓国の反日運動、そして戦前の日本軍が弱かった。日本軍を悪し様にいうことによって恐怖を除こうとしている。その一片が見えてくる。日本悪者論は敵国(戦勝国)の恐怖の裏返し、とみるとよく見えてくる。戦争に一方だけが悪い、良いということはない。こんな簡単なことを忘れてしまった現在。ちょっと70年前を少し眺めてみるのもいいのではないかと思う。

対アメリカについては情報が多いがこの本の千島、樺太、択捉などは初めて聞く話が多かった。満州についても同じ事が言えると思う。