投稿者 スレッド: 東海地震も関東大地震も起きない! ~地震予知はなぜ外れるのか  (参照数 293 回)

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書名:東海地震も関東大地震も起きない! ~地震予知はなぜ外れるのか
著者:木村 政昭
発行所:宝島社
発行年月日:2013/3/6
ページ:207頁
定価:952円+税

東日本大震災の後で、政府の予算をたっぷり使った地震学者の予測は全くゼタラメだった。そして予測は出来ないと開き直った。でも政府は東海地震だけは予知できると言い切り、「今後30年以内にM8程度の東海地震が発生する確率は87%」と言い切っている。これは予算を確保するためには止む得ない発言か?ラプラスの悪魔か?

ラプラスの悪魔
19世紀の物理学者・ピエール=シモン=ラプラスは
「もしもある瞬間における全ての物質の力学的状態と力を知ることができ、かつもしもそれらのデータを解析できるだけの能力を有する知性が存在するとすれば、この知性にとっては不確実なことは何もなくなり、その目には未来も過去同様に全て見えているであろう」 ― 『確率の解析的理論』(1812年)
実はこれは出来ないことを上げていることで実際は実現できないことを言っている。ラプラスの悪魔と呼ばれているもので予測は出来ないと結論づけられているものです。

著者は「地震の目」「噴火の目」という独自の理論で数多くの地震や火山噴火を予測し的中させてきた。たとえば1986年の三原山噴火、1991年の普賢岳噴火、1995年の兵庫県南部地震、2004年の新潟県中越地震、2011年の東北地方太平洋沖地震、最近では御嶽山の噴火(2013年±3年)など。主流と呼ばれる地震学者からは受け入れない学者です。震災後、東南海トラフ、首都直下型地震などがクローズアップされて膨大な被害シミュレーションなどが最悪のリスクを想定して発表されています。(これは原発の被害とは全く反対、原発は最小のリスクしか報道されない矛盾)

「地震の目」「噴火の目」という独自の理論を判りやすく説明してある。地震と火山噴火は関連性があるという視点から最初に現れた「地震の目」「噴火の目」から30~35年±5年位で地震、噴火が発生すると言う理論。但し「地震の目」「噴火の目」を見極めるの経験、知識が必要で誰でも出来るわけではない。

そして最新のデータなどを駆使して今後30年のうちには「東海地震も関東大地震も起きない!」(M7以上)と結論づけている。
そして著者が予測しているM9の地震として伊豆・小笠原海溝に沿った鳥島南方沖を震央とする「地震の目」だ。発生予測年は(2012年±3年)ここは西之島が火山活動を活発に続けている付近。富士山の噴火発生予測年(2011年±4年)浅間山(2012年±4年)御嶽山(2013年±4年)その他M6.5以上の地震の予測も書いてある。最新の予測は下記の木村政昭のホームページに掲載されている。
科学技術と研究、政府、学者の関係それらの矛盾についていろいろとぼやきも含めて実態が述べられている。先が見えない研究に価値を見つけて予算を付ける。そうすると間違っていても、方向性が違っていてもその名目で研究費を貰っているからいつまでもそこから抜けられない。そして嘘ばかり吹聴するようになってします。学者が悪いのか、政府が悪いのか、官僚が悪いのか、システムが悪いのか?
研究という性質の原点に帰って考えてみる必要があると思う。主流派以外を排除する風潮、反対意見は徹底的に潰す。こんなことがずっと続けられてきた。新しいことは脆弱なもの、それを守り育てるリーダー、風潮が出てこないとだんだん窮屈な世になってしまう。本書を読んでそんなことを感じました。

木村政昭ホームページ
http://kimuramasaaki.sakura.ne.jp/site2/